猫、いたずらをする ページ31
歌仙兼定
「今日はとても雅を感じるなぁ」
自室の戸を開け風を感じる歌仙。木々は紅葉を赤々と付けている。ひらひらと風に乗り、池に落ち、波紋を作る様子はまさしく雅に相応しい。
歌仙兼定
「あれ？筆が…」
用意していた紙はあるが、筆が見当たらない。確かに置いたはず。それに墨汁を染み込ませた筆だから、尚更探し出さないと墨だらけになってしまう。
チリンチリン…
歌仙兼定
「！」
聞き慣れた鈴の音に振り返る。見切れたが、確かに見えた黒い尻尾。間違いない。
歌仙兼定
「主！」
慌てて部屋から出ると、筆を器用に咥えている。その顔は、いたずらをする気満々。
鶴丸国永
「主はどこだ！」
歌仙兼定
「どうしたんだい？おや？その顔は」
鶴丸国永
「そうだ！肉球だ！付けれるのは、主しかいないだろう！」
通りかかった鶴丸の頬にはくっきりと肉球が。歌仙は主が筆を咥えて部屋を出て行ってしまったことを伝えると、共に探すと協力する鶴丸。
三日月宗近
「良い風景だ。詩を詠みたくなってくるな」
石切丸
「ちょうど用意したところだから、私も一緒にいいかい？」
三日月宗近
「もちろんだ。はて？少々汚れているな」
真新しい紙を用意したはずだが、黒い線や垂れた跡がある。極めつけは肉球のような跡。
カタンと音がする方を見ると、毛繕いをしている主(黒猫)と筆が目に留まる。
三日月宗近
「主や、その筆は何処から持ってきたのだ？」
歌仙兼定
「主！」
察して石切丸が筆を取り、三日月が主を抱き上げる。何の抵抗もしない主。だが、触ってわかる。身体に墨汁がついてしまっていることに。
三日月宗近
「主を風呂に入れるか？」
歌仙兼定
「僕が入れてくるよ。捕まえてくれてありがとう」
風呂場で主を下ろす。そしてなぜか鶴丸が着いてきた。
歌仙は何だか懐かしさというか、それに似たようなものを感じていた。
歌仙兼定
「思い出すよ。あれは多分、主がここに来てすぐの時かな。少しばかり汚れてしまっていた主を、水しか出なかった風呂場で洗ったことをね」
鶴丸国永
「だが、今はお湯が出るぜ」
歌仙兼定
「あぁ。桶にお湯を張ってくれるかい？いや、それよりも君は、顔の跡を落としたらどうかな？」
お湯をバシャバシャと掛けて、肉球型の墨を落とす鶴丸。用意してくれた桶にちゃぽんと主を入れようとする歌仙だが…
ガタンガタン！バシャン！
歌仙兼定
「こ、こら！主！」
鶴丸も驚いた。嫌だと抵抗し、逃げ出した主に。
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ミライ(プロフ) - まーちゃんさん» コメントありがとうございます。構想は練っているのでいつかは文字にして書きたいと思います。 (4月24日 0時) (
レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。 できたら学校でいじめられてる子がブラック本丸の審神者になる﹆そう言う夢小説が読みたいです 出来たらで大丈夫です。これからも頑張ってください (4月24日 0時) (レス) id: 6350c1876f (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - ローズクロスさん» ありがとうございます！ (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
ローズクロス(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み始めてから毎日、更新を楽しみにしてました☺ (4月22日 21時) (レス) id: 928643df23 (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - 赤瑪瑙さん» ありがとうございます！ (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミライ | 作成日時：2024年1月26日 0時
