天才×アイドル=… (ページ10)

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#45　隠してた本音　2022/11/1更新ページ10

朱乃side
飛鳥「……乃木坂辞めるの？」
「え？」
飛鳥の突然の核心を突く質問に一瞬動揺した。それはもう認めたも同然だった。

飛鳥「やっぱりそうなんだ……私のコト…嫌だったの」
「そんなことない！！！」
飛鳥「え…、、？」
珍しく語気を荒らげた私に飛鳥は戸惑っていた。それを見た私は冷静に戻った。
「あ……ごめん、」
飛鳥「ううん…」
「あのね。乃木坂の事は大好きで、本当は…ずっといたいよ……いたいけど………」
飛鳥「AKBのほうが好き。だからなの…？」
「……本当は決められない。どっちも大好きでもう順番なんて決められない。」
飛鳥「じゃあなんで…？」
「飛鳥にはわからない感覚だと思うけど…乃木坂の大島朱乃であることが辛くなったの。」
飛鳥「意味がわからない…」

「元々AKBでやってきて乃木坂にとって正直よそ者な私が受け入れられてる事はものすごい嬉しいんだけど……AKBのメンバーってことを忘れられ始めて、私はちゃんとそっちでもやってるのに…」
気づいたら泣いていた。AKBとしての私が否定されていることが飛鳥にも伝わっているようだった。

飛鳥「朱乃…」
誰にも相談できずに一人抱えていた事を、飛鳥は優しく包み込んでくれた。そういえば、最初もそうだったっけ。
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飛鳥「……ねぇ、一緒に食べる？」
朱乃「…うん」
初めて会ったのは、坂道AKBの撮影。仲良しの珠理奈や美音は坂道メンバーと仲良くなろうと別の人と食べてたし、桃子とは仲良くなる前で、同期の史緒里と食べていた。仲良くなるのは諦めていた時だった。
飛鳥「朱乃ちゃん…だよね？」
朱乃「はい、飛鳥さん…ですよね？」
その時エース格だった飛鳥とは釣り合うわけないと思っていた…のだが。
飛鳥「私…朱乃ちゃんとは気が合うと思うんだよね」
その一言に衝撃が走った。
ただお互いに話していくうちにその言葉は現実となっていく。
加入前から子役として活動した飛鳥と、幼い頃から活躍していた姉を持ち、引け目を感じてた朱乃。お互いデビュー当初から飛鳥は選抜入り、朱乃はたくさんのテレビ出演と期待されていたが、その後はお互いに選抜を逃し迷走した。飛鳥は一足先にセンターまではい上がった。朱乃は選抜メンバーと共に坂道akbというチャンスを掴み這い上がろうとしている。そんな同い年の二人が共鳴し合うのはある意味当然だったのかもしれない。
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「飛鳥、一緒に寝て」
飛鳥「…いいよ」
今日くらいは、飛鳥にたくさん甘えることにしよう。