#44 不安感 2022/11/1更新 ページ9
飛鳥side
ある日の仕事終わり。私は珍しく明日から二日間の休みをもらってるのだが……なぜか落ち着かない。どこかぽっかりと心に穴が空いたみたいだった。
はぁっ………こういうときはいつも朱乃と一緒にいて埋めてもらってたなぁ…
でも、連絡しようにも、仕事以外では半年以上口を利いてない。
Actually期間で、わたしたちには見えない壁ができてしまっていたのだ……
でも、この穴は朱乃にしか埋められない。それと……もうすぐ、朱乃がどこかに行ってしまうような、嫌な予感がした。
「もしもし?」
朱乃「あれ、飛鳥どうし…」
「ご飯食べに行こ?話したいこともあるし」
朱乃「あ……えーと……」
突然だったし、ゴリ押しすぎたか。
朱乃「ご飯の準備始めちゃってるから家でもいい?」
「…いいよ?」
そうして、久しぶりに朱乃の家に来た。以前はお互いの家を行き来することも結構あったが、朱乃が乃木坂に来てから初めてだ。
朱乃「あ、入って入って」
なんだろうこの懐かしさ…と同時になんとなく寂しさも感じていた。
朱乃「ご飯できてるよー」
急に来ちゃったからか、急いで私のための味付けにしてくれた痕跡が見え隠れしたけど、そんな優しささえ心地よく感じた。
そんな食事がおわり、ソファーにくつろいでいると、洗い物中のキッチンから声が聞こえた。
朱乃「飛鳥って明日休みなの?」
「うん、二日間休みもらった」
朱乃「えー、いいなぁ……私もほしい」
そうだよねぇ……だってあなた、乃木坂一働き者だもん。
朱乃「これでよしっと…」
「お疲れ様」
朱乃「それで?」
「え?」
朱乃「話があるんでしょ?」
「あ……えーと……」
急に現実が襲ってきた。
「まずはごめん」
朱乃「え?なんのこと?」
「ずーっと話せなかったこと。ほら、Actuallyの件からさ」
朱乃「あぁ…それは私も謝らなきゃいけない…ごめん、本当に迷惑かけて」
「朱乃は悪くないよ、センターもつらかったのにやってもらったし」
朱乃「センターに穴空けたことじゃなくて…あの期間私自身全く周り見えてなくて勝手にピリピリしてたし、アルノの件でも喧嘩もしたし、46時間のときもかなりつらく当たってたし…」
「…まぁ…そうか…46時間のときは完全に私が悪かったけどね」
満足はしなかったけど、納得感はあった。
「あとね……もう一つ」
朱乃「何?どうしたの?」
「……乃木坂辞めるの?」
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作者名:柊哉 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Toya20001/
作成日時:2022年5月18日 10時