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昔の記憶 ページ12

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都心に戻り太輔が向かう先に見えてきたのは想像していたホテル街からは程遠い高級感のある街並み




「クリスマスなのにホテル空いてるかな」



「ああ、それなら大丈夫」



「え?」



「予約してあるから」






あまりの用意周到さに驚く


…まあ、こんな聖夜に予約しないでホテル入ろうだなんて今思えば無理に等しいけど






多分聞いたところでさっきみたいにどこのホテルか教えてくれないから到着まで楽しみに待っておこうと景観を見渡してると、



凄く見覚えのある建物の中の駐車場に入っていった車





「降りよっか」




「うん」





後部座席からヴィトンのボストンバッグを取り出したかと思えば、Aのはこっちって私のもくれた





やっぱ用意周到すぎじゃない?


中にあるショップで買えばいいか〜なんて思ってただけにこれにはびっくり





太輔は最初から今日泊まる気でホテルも予約して私と自分の分の宿泊セットも用意してたってことでしょ?



私の服も今はもう持ってるうちの半分くらいは太輔の部屋に置いたままで そこからセレクトして持ってきたらしい







「抜けあったらごめん、Aがウチでいっつも使ってるやつは一通り入ってるから」





「ううん大丈夫、ちょっと今太輔の計画性の凄さにびっくりしてる」



「まあサプライズだからね」









でもって泊まるホテルももう薄々気付いてるけど、多分あそこだ






ホテルのエントランスに立つと、、予想は的中で
数年前の記憶が一気に蘇る



そんな私の表情の変化を捉えたのか、



「気付いた?」



って笑う太輔




「……ずるいほんと」









フロントで受付を済ませる太輔をソファに座って待ち、ああ前回来た時もこんなだったなあとか色々思い出す




「お待たせ」




「ううん 色々思い出しちゃった、昔のこと」



「何年前だっけ?5年前?」



「そのくらいかな」



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作者名:き之い | 作成日時:2019年5月16日 22時

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