【すとぷり】その涙を僕の肩に落としてよ

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『…ただいま』




「〜！〜〜！」

あーあ


また喧嘩してる


「…！A！帰ってきたならちゃんと言いなさい！」

『言ったよ。ただいまって』

イライラする

「声が昔から小さいんだ！ふにゃふにゃ言っていて社会人になったら困るのはお前だぞ！」


そうですか


「なんか言ったらどうなの！」

『…！』

また

傷がひとつ増えた



「なんでお前はいつも暴力を振るうんだ！だからAは反抗するようになったんだぞ！」

「私のせいだって言うの！？私は何年も頑張ったのよ！だけど言うことをきかないこの子が悪いんじゃない！」



“怒られるって、実は愛されてるんだよ”



小学生の頃の担任が言ってた


でもさ



暴力ふるいながら怒るって言うのは


愛されてるってわけじゃないと思うんだ






「あんただっていつもお酒ばっか飲んで！」

「うるさい！ちょっとは黙れ！」


私には暴力をふるわないけど

お母さんにはふるうお父さん


愛されてないってわかってても


どれだけ殴られても


たくさんイライラしても


私はお母さんとお父さんが嫌いになれない


なんで


嫌いになれたらいいのに


『やめてよ！お母さんを殴らないで！』

今日も



変われない今日が過ぎていくんだ









“湿布貼ってね。”



あぁ


ちょっとちがう


彼は、ちょっと違かった

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