なぜですか? ページ15
椿side
私は旦那様のご友人の方の
ご子息の遊び相手をしておりました。
本当はせいら様と一緒に居たかったのですが。
「ツバキ兄ちゃんは、せいらお姉ちゃんの執事さんなの?」
「えぇそうですよ」
「せいらお姉ちゃんの執事になって嬉しい??」
「もちろん嬉しいですよ」
「そっかぁ。なんか、せいらお姉ちゃんとツバキ兄ちゃん、お似合いだよ♪」
照れてしまいました。
「ありがとうございます♪」
これは素直に嬉しいですね。
少し笑顔になりました。
チラッとせいら様の方を見ると
ご息女と遊んでおられた。
思い出しますね、私とせいら様が
遊んでいるあの光景を。
なんだか、胸が苦しくなってきました。
早く、せいら様のお傍に参りたい……
「ツバキ兄ちゃん??」
「あ、失礼致しました。どうかされましたか?」
「せいらお姉ちゃんのこと見てたの?」
「えぇ」
「なんか切なそうな顔してたけど、大丈夫?」
あ、私、そんな顔してましたか。
気づきませんでした。
「大丈夫ですよ、お気になさらず」
「よかった。僕がツバキ兄ちゃんを笑顔にさせてあげる!!」
「本当ですか?それはありがたき幸せですよ」
「うん!」
そうお話をしていた時、
「うわぁぁぁぁん!!!」
泣き声がしました。
その声がした方を見ると……
花様が泣いておられるではないですか。
私は急いでお傍に向かいました。
「お姉ちゃん!ツバキ兄ちゃんだよ」
「ツバキお兄ちゃん……?やだ!来ないで!!」
「花様……私ですよ?」
「ヒメノ…グスン、お姉ちゃんを…呼んで!」
私ではなくヒメノさんですか。
なぜです?なぜ私ではなくヒメノさんなのですか?
「花!?どうしたの!?」
「お母さん、ヒメノお姉ちゃんを呼んで…」
「ツバキは??」
「やだ!ヒメノお姉ちゃんがいいの!」
「わかったわ。待ってて」
奥様がヒメノさんを呼びに行かれた。
なぜ………なぜ………
なぜ私では無いのですか!!
教えてください!!!!
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作者名:さくや@執事・メイド | 作成日時:2018年9月26日 10時