ありがちなトリップをしてしまった！3

丁か半か ページ35

神威の処刑までの3日間は、あっさり
過ぎ去った。情報収集、任務遂行(の
フリ)、訓練。前日にも決
まっていた。

どうなるかは分からないけど、必死
にやるしかない。

〜処刑当日〜

武器をきちんと装備して、広場へ来い
と阿呆から命令が来た。

制服ではなく、いつもの私服を着る。
さらしを巻き、真っ黒のタンクトップ
に認識票(ドッグタグ)
迷彩柄のズボンを仕込みナイフのベル
トで留め、膝下までのブーツを履く。
それに迷彩柄のジャケットを羽織り、
背中に黒の番傘を刺す。

とうとう来た。

広場へ向かう前から心臓がバクバク
鳴ってる。

指定された場所に行くと、阿呆がふん
ぞり返って座っていた。

そこは丁度広場が見渡せる位置にあり
、下には大量の天人。そして広場の真
ん中には神威が拘束されている。満面
の笑みで。

(呆)「おぉ！来たか如月！」

(貴)「はい。動きやすさを考慮し、制
　 服の着用を避けましたが、よろ
　 しいですか？」

(呆)「はっ、構わん構わん！如月、も
　 しもの為に貴様を呼んだ。わし
　 が命令したら、高杉と神威を殺
　 せ。」

何コイツなんでこんな偉そうなんだ畜生…

(貴)「了解いたしました。御命令が
　 有り次第攻撃を開始します。」

阿呆の前にはマイクが置いてあり、
そのマイクで広場にいる天人達に話す
ようだ。

(呆)「者共！良く見ておけ！これが
　 謀反人の末路だ！我に仇なす
　 は元老に、元老に仇なすは春
　 雨に仇なす事と同じ！これな
　 る掟を軽んずれば、鉄の軍団
　 も烏合の衆と成り果てよう！」

よく言うよ、口だけは達者だな。

(呆)「神威よ、何か言い残すことは
　 あるか？」

(威)「それじゃあひとつだけ良いで
　 すか？」

(呆)「うむ。」

(威)「アホ提督ー！」

おぉ！俺の大好きなセリフ！俺も言
ってみたいなー！

(呆)「殺れー！ぶっ殺せー！」

うるっせぇ！マイク使って大声出すな
アホが！

(高)「まぁ待てよ、アホ、阿呆提督。
　 そいつぁ俺に殺らせてくれねぇ
　 か。」

処刑台の後ろから現れた晋助。いよい
よだ。じわりと手汗が出てくる。

(呆)「ん！？」

(高)「残念ながら、サシの勝負とやら
　 には応じてやれなかったが、介
　 錯位は務めてやらねぇとなぁ。」

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