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続参 ページ49

「しかも彼女の異能力を知っているのは警察と武装探偵社だけ。この場には警察しか居ない。君以外に、誰が彼女の異能力を強引に発動させられるの?未解決事件の、君の妹の遺品があるだけで、君が犯人だ。もういい。こうして話しているだけでも時間の無駄。もう君達の所の警察に金輪際僕は力を貸さないよ。」

彼の胸倉を掴むのを止め、私の目の前に来る男性。

「ま、待ってください!」

「なんで待たなきゃいけないの?この事は君の上司にも話をするからね」

「それじゃっ、僕は警察を辞めさせられるに決まっている!」

「辞めたらいいよ。ひとりの人間の人生を壊したんだ。記憶を代償とする彼女の人生を壊した君が、どうして自分が招いた危機を嘆くの?」

そして、帰ろうと差し出す彼の手に私は掴んだ。きっと彼は私と深い関わりがあった人だというのは会話を聞いて分かった。

「なんだよ・・希望を持たせた、そっちが・・・悪いんだ。」

警察が、そんな言葉を呟いた。

「・・・。」

彼が、警察の方に向き直し、そして近付く。

「ふざけるなっ!」

そして、彼は警察の顔面を殴った。警察は顔面を殴られた痛みでその場に座り込んだ。

「希望を持たせた?優希は希望を持たせる為に異能力を使ったんじゃない。勝手に希望を持ったのは君達だ。彼女が責められる理由はないよ。」

そう言い戻って来た彼の拳は震えていた。

「あの、何かありましたか?」

別の警察の人が走ってきた。彼はさっきの怒りを表すことなく、ただ静かに言う。

「今回の事件に、僕は一切手を貸さないよ。被害者には申し訳ないけど、悪いのは君達警察だ。何かあれば異能力に頼るなんていう考えが一寸でもあるなら、僕は事件の依頼は受けない。今日はもう帰る。」

そう言って、彼は私の手を掴むと事件現場から離れた。そしてそのまま本当に帰った。

帰って来た場所と言ってもそこは私の部屋らしかった。どうやら自分の部屋さえも忘れていたようで、彼がいなかったら帰れなかったのだろう。

「聞くけど、覚えていることは?」

部屋で、私と彼は向き合った。

「自分の名前と異能力です。」

「名前は?」

「優希」

「僕の名前は?」

「・・・・・わかりません。」

「・・・・・そっか」

そう言い、頭をかいて考え込む彼に私はどうすればいいのかと考えた。

「別にどうかしようって考えているなら、その考えは消しなよ。あと、僕に聞きたいことはない?」

「聞きたいこと・・・貴方の名前と関係を聞きたい」

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , ヤンデレ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2016年6月25日 8時

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