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心理ー江戸川乱歩 ページ19

私の彼氏は名探偵

なんて、物語としては面白いのかどうかと聞かれたら、私は恋愛小説を好まないし、なりより探偵に恋愛なんて必要ないって思ってるから、面白くないと答える。

だって、恋愛が入れば内容は濃くなるけど、同じ展開でつまらない。

「だーかーらー!なんで僕が居るのに本ばっかり読むのさ!」

子供っぽい名探偵なんて、誰が想像するだろうか。

現在、自室にて名探偵である江戸川乱歩さんは、椅子に座る私を後ろから抱き締めて耳元で叫んでいた。

「・・・暇だったので」

「もう本なんて読まない!金輪際、僕に許可なく本なんて読んだから怒るよ!」

怒るのか。起こるのですか。

なんだか本当に子供のように見えてきた。

「ねぇ」

「?」

「いつまで、僕は待てばいいの」

「それは・・・。」

「僕、結構我慢したよ?いつまでこのままで居させるの?」

本を奪って、目をちゃんと開いて聞いてくる名探偵。あぁ、やっぱり怖い。

「私なんかとじゃ、釣り合わないです。そもそも、どうして乱歩さんが私なんかを・・・。」

ただの社員だった私を、どこが良かったのか気に入った名探偵。子供っぽいのに、事件を短時間で解決する程の頭脳の持ち主。そして気に入るだけならまだしも、何故か好意を抱かれ、返事を聞かせての一点張り。

私が彼に答えないのはひとつ。

私は、彼が怖い。何を考えているのか分からないし、無邪気なぶん、それが恐ろしいのだ。

子供の無邪気とは違う何か。それがはっきりしているのに、曖昧で、彼がどういう人なのか判断出来ない。

「言ったよね。僕は君が欲しいんだって。どうして?ねぇ、僕が納得いく答えを聞かせてよ。」

「答えなんて・・・お互い、知らない事ばかりじゃないですか」

「教え合えばいいよね?そんな事が理由なんて、僕に嘘吐くの?」

ああ言えばこう言う。彼が納得する言葉なんてひとつしかないのに、私はそれを彼に言わないと開放して貰えない。自由にしてくれない。

「ねぇってば!」

バンッと机を思いっきり叩く音に肩を震わせた。あぁ、怖いというのに。

「別に、今すぐ君を閉じ込めたっていんだよ?事件の犯人に仕立てる事だって出来る。君の人生そのものを壊す事だって、僕の頭脳があれば出来るんだよ?」

「だからっ、それが怖いんです!」

短時間で事件解決出来る程の頭脳の持ち主だ。アリバイだってどうせ完璧に作り上げる。

一度でも、彼に捕まれば、逃げられないと、知っているから答えないのだ。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , ヤンデレ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2016年6月25日 8時

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