【とうらぶ】微力だけど任せてください！！【ブラック本丸】 (ページ5)

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肆＊理由ページ5

「やはり、貴方にはここの本丸が向いています」

「え、なんでですか？」

「理由はいくつかありますが、その中でも最も言えるのは、微力な霊力を無駄に使わずにするためには、程々に集まっているこの本丸がいいと思ったからです」

そうか、私の霊力は微力だった……。

「次に、貴方の霊力は優しいものだからです」

「…？霊力に優しいも酷いもあるんですか？」

「我々には分かりかねますが、付喪神は霊力に区別をつけているようで…参考までにいろんな審神者の霊力を感じてもらったんです。その時の結果がこちらになります」

机に広げているファイナルの中から、数枚の紙を私の前に置いた。

いろんな審神者の名前が書かれてあり、その下に恐らく霊力を感じた付喪神からの感想のようなものが記されていた。

ある審神者の霊力は、「フワフワしてる」「冷たい」「薄い」など。

ある審神者の霊力は、「臭い」「重い」「加齢臭の塊…？」「優しい」など。

いろんなことが書かれていた。

……２番目の審神者の人は50代のため仕方がないのだろう。

「まぁこのように言われてましたが、霊力とは使われなかったらあまり感じることはないので、日々の生活にはあまり影響のないため、どれだけ嫌なものでも気にはならないそうです」

「はあ…そうなんですね。霊力って本当にこんな感じ方があるんですかね…」

「さあ、私達人間には分かりかねます」

ずっと見ていくなか、「田嶋」という名前を見つけた。

「この田嶋って、私の担当する本丸の前の審神者ですか？」

「ええ、そうです」

田嶋審神者の霊力の感想を見てみると……

「汚い」「棘があるみたい」「少し歪かも…」など、あまりいいものではなかった。

「こんな感想でも、田嶋さんを外さなかったのは…」

どうしても気になり、答えを求めるように目を合わせると、眉を下げた。

「やはり、仕事に関しては優秀でしたので、政府にとって外すには惜しい人材だったから……ですね」

政府の都合で付喪神と助手が傷ついたというのに、政府にはお咎めはなかったのだろうか。

「…………分かりました。本丸に行きます」

「っ！本当ですか！？ありがとうございます！」

私の二つ返事に頭を深々と下げる目の前の人を見て、どれ程のことがあってどんな気持ちだったのかが気になった。