キズナ ―TRANSMIGRATION PRAY― ② (ページ4)

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高麗国１ページ4

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―――ﾄﾞｻｯ

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

次の世界に移動した小狼達は、大勢の人々が行き交う出店が立ち並んだような場所に置いてあった食物の入った木箱に落下した。

「ああー？次はどこだ？」

『視線を感じるな』

「わー、なんだか見られてるみたい―」

「てへｖモコナ注目のまと―！」

「また妙な所に落としやがって！」

三人とモコナは周りを取り囲む人々を見て口々に言った。

「なんだ、こいつら！どこから出て来やがった!!」

その場にいた大きな男が近くに居たさくらの腕を掴んだ。

ｶﾞｯ――

その直後、大男は小狼の蹴りを顔面にまともに食らった。

「お」

「あ」

「わｖ」

『ふ』

黒鋼、ファイ、モコナ、Aはその光景を見て笑んだ。

ｽﾞｻﾞｱｱｱｯと大男が鼻血を垂らしながら吹っ飛ぶ。

「おまえ！誰を足蹴にしたと思ってるんだ!?」

大男の隣に立つ、この国の住人らしき一人が怒鳴った。

「やめろ!!」

家屋の屋根の上から少女の声が響いた。

「誰かれ構わずちょっかい出すな！このバカ息子!!」

少女は大男に向かって大声で言った。

「(女の子？)」

小狼はさくらを庇いながら少女を見た。

「春香(チュニャン)!!」

大男が少女を見て言った。

「誰がバカ息子だ!!」

「おまえ以外にバカがいるか？」

春香はキョロキョロと辺りを見回す。

「この――！」

大男は拳を握りしめ、ぶるぶると肩を震わせた。

「失礼な!!」

「高麗国(コリョこく)の蓮姫(リョンフイ)を治める領主(リャンバン)様のご子息だぞ！」

周りの武器を持った住人達が口々に言った。

「領主といっても、一年前まではただの流れの秘術師(シンバン)だったろう」

「親父(アボジ)をばかにするか――！領主に逆らったらどうなるか分かってるんだろうな！春香!!」

そう言って大男が春香を睨むと、彼女は唇を噛み締めた。

「この無礼のむくいを受けるぞ！覚悟しろよ！」

そう吐き捨てて大男は手下である住人達と共に、ゾロゾロとその場を去って行った。

「怪我は？」

「大丈夫です。ありがとう」

心配する小狼にさくらは優しく微笑んだ。

「や―、なんか到着早々派手だったね―」

「小狼すごい―！跳び蹴り！」

「あﾞ。すみません。売り物なのに」

小狼は自分達が落ちた際にばら蒔(ま)いた食物を拾い、店のおじさんに謝る。