高麗国２４ ページ27
.
「
「町中より、外から来る
「その力が消えてやっと町に入ることが出来ました」
「遅くなって、本当に申し訳ありませんでした」
金髪の少年は
「この傷……」
少年の手に残る無数の傷痕が春香の目に入った。
「町に入ろうと一生懸命頑張ってくれたんだな」
「貴方達のご苦労や辛さに比べれば何ほどのこともありません」
「来てくれて、ありがとう」
春香は少年の両手をぎゅと包み込むように握りしめた。
「非道な手段で領主となった者はいなくなりました。新しい
金髪の少年が春香の後ろに集まった町の人々を見る。
「新しい領主はいらない」
春香はきっぱりと少年にそう言った。
「みんなで決めたんだ。
両手を広げて春香がそう言うと、町の人々もそれに賛同して声を上げる。
「そう
春香と町の人々を見て微笑み、三人の暗行御史はこの町を去った。
その後、小狼達は着替えを済ませ、人目のつかない場所へと足を運んだ。
「ありがとう、春香。もうおれ達は行かなければいけないんだ」
「そんな！いったいどこいくんだ？」
―…ﾌｧｻｧ…
モコナの背中から白い羽根が生える。
「なんだ!?なんであれ、羽根が生えたんだ!?」
驚く春香に、小狼とさくらが微笑んだ。
がばぁっとモコナの口が大きく開かれる。
「まだ来たばかりなのに…！」
「やらなければならないことがあるんだ」
「元気でね、春香」
『またいつか会える。それまでさよならだ、春香』
それを最後に、小狼達はモコナに吸い込まれて消え去った。
「さくら、小狼…A……また会おう、いつかきっと。……ありがとう、みんな」
つい先ほどまで小狼達の居た場所を見つめ、春香は微笑んだ。
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作者名：秋姫 | 作成日時：2018年12月17日 12時
