阪神共和国４３ ページ3
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「バトルだけじゃなく、あちこち案内してやったりしたかったんだけどな。プリメーラも残念がるな」
小狼と握手を交わしながら笙悟が言った。
小狼と正義もギュッと握手を交わした。
「またこの国に来たら会いに来ます、必ず」
「あ、待て。A…」
ちょいちょいとAを手で呼ぶ笙悟。
『どうした』
――ﾁｭｯ。
笙悟は近寄ってきたAの頬に口付けた。
「元気でな」
笙悟はそう言って、ニッと笑った。
『ああ、お主もな』
「元気で―――!!」
正義と笙悟達に見送られながら、小狼達は宿屋に足を進めた。
「で、ものは相談なんだけどな」
笙悟は自身の付けていたゴーグルを外し、それをずぼっと正義にはめた。
「!?」
「入らねぇか、うちのチーム」
笙悟はニッと笑って言った。
「……は、はい!!」
わっとチームで歓声が巻き起こる。
笙悟達の輪の中で嬉しそうにする正義の姿を見て、小狼は微笑んだ。
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「もう、行くんか」
「はい」
下宿屋に着くと小狼達は最初の服装に着替えて庭に出た。
「まだまだ、わいとハニーの愛のコラボ料理を堪能させてへんのに――」
くうっと空汰は悔しそうに言った。
小狼は嵐に蛙の財布を返し、黒鋼はマガニャンを買えてご満悦なようだ。
『大丈夫か？』
「まだ、ちょっと眠いだけだから」
Aの言葉にさくらは目を擦る。
「下を向くな。やらなきゃならねぇことがあるんなら、前だけ見てろ」
さくらを複雑な表情で見つめていた小狼に、黒鋼は強くそう言った。
「……はい」
――ﾌｧｻ…
モコナから羽根が広がり、魔方陣が浮かび上がる。
「ほんとうに有り難うございました」
「なんの！気にするこたぁない」
「次の世界でもサクラさんの羽根が見つかりますように」
ガバァとモコナの口が大きく開かれ、五人は吸い込まれた。
「侑子さんが見込んだヤツらや、これから何があっても切り抜けていくやろ」
「……ええ」
二人は先程までいた小狼達の場所を見つめ、体を寄せ合った。
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作者名：秋姫 | 作成日時：2018年12月17日 12時
