高麗国１２ ページ15
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「言えば良かったのに――。春香ちゃんを連れていかないのは、これ以上迷惑かけないためだって」
小狼と目線の高さを合わせて、隣を歩くファイが言った。
「オレ達みたいな余所者泊めて、一緒にいる所も見られてる。その上、連れだって城に乗り込んだら領主を倒せなかった時に、
「…………」
「とにかく、その
黒鋼は嬉しそうに、にっと笑んだ。
「で、サクラちゃんの羽根が本当に
「取り戻します」
小狼は揺るぎない瞳で言いきった。
『…そんなに焦ることもあるまい。焦れば大切なものも見落としてしまうぞ』
三人に追いついたAが背後から言い掛けた。
「Aさん！」
「なんだおめぇ、あの姫らと一緒にいたんじゃなかったのか？」
『誰も行かぬとは言っておらぬだろう？それとも、黒は私に見とれて戦いに集中できぬか？』
黒鋼の腕を掴み、Aはぐっと顔を近づけニヤリと笑む。
「誰がてめぇなんかに見とれるか！//」
黒鋼は顔を赤くさせ、バッと勢いよくAの手を振り払った。
『ならば決まりだな』
腰に手を当て、Aは勝ち誇ったような笑みを黒鋼に向けた。
「黒ぴょんの負けだね――」
「A、すご―い」
ぴょんとAの肩に乗っかり、手を叩いて褒めるモコナ。
黒鋼は眉間に皺を寄せて、けっと吐いた。
『小狼もよいか？』
「は、はい」
「お城だ――」
Aの肩に乗ったモコナが不意に前方を指差し、跳び跳ねた。
「ここだよね」
「さっさと入ろうぜ」
黒鋼は城の城門に両手を掛けて押し開く。
「って、そのまま門、開けてもだめ……」
そうファイが言うものの、時既に遅し黒鋼は城門を開け放っていた。
「ああ!?」
「ふしぎふしぎ―！お空が下にある――♪」
城門の先には、天地が真逆の
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作者名：秋姫 | 作成日時：2018年12月17日 12時
