無色透明な心にさよなら２【名前変換オリジナル】

ep.59 ページ10

映画はラブストーリー。

甘いだけの話じゃなくて大人で切ない物語






七橋「この映画ほんとに泣けるんだよ！みんなにぜひ見て欲しくて！」



「泣けるやつか」





映画で泣いたこと…というか泣いたことが覚えている範囲で無い。

赤ちゃんの時は泣いてたんだろうけど、記憶がある時からずっと…泣いたことは無かった。
玉ねぎ切って泣く事はあっても、それはまた違うし







七橋「みんな、準備はいい？」






みんなはポップコーンやジュースを持って座った。





「じゃあ始めまーす」




DVDを入れ、長いCMの後映画が始まった。






海斗「先輩、見えます？」


「うん、大丈夫」





隣には海斗くんがいる。
こんな感じで映画観るなんて…初めてだ。










「…」






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ドクッ…








あ、あれ…なんか思った以上に心苦しい話かも










七橋「ｸﾞｽｯ…」



みんな…結構泣いてる。
こんなに悲しい話だと思わなかったよね…




盲目の主人公が必死に想いを伝えた相手に知らないうちに恋人がいて…でも見えないから分からなくて

必死にもがいて…













┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ドクッ…ン










あれ、私…


なんでこんなに苦しいんだろう。



今まで感情なんて知らなかったのに、感情がダイレクトに伝わって…







「…っ！！！」


――――――ガタッ！








海斗「先輩？」




七橋「梨花！？」










私は外に飛び出した。





耐えきれなかったんだ。今まで知らなかったことを知る事が…

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