＊ ページ8
"
"
「 話したいこと、あるんよね 」
「 う、ん、あります 」
手が脚が震えてきた
いや、震えているのかすら分からないほど
頭がいっぱいいっぱいだ
「 ええよ、ゆっくりで
この前僕が一方的に話してしもうたし
今度は僕が聞きますから 」
そう話す変わらないカレの眼はずっと変わらなくて
目元にあるホクロも
綺麗な茶色の瞳も
私を見る優しげな表情も
何も変わっていなかった
心が落ち着いてきた気がする
でも私はそんな優しげな表情がただただ痛い
痛い。痛い。ズキっとする。
私はそんな表情出来ないよ
笑えない。
「 なん、でそんなに勝手なんですか 」
「 なんで、笑えるんですか 」
「 貴方が忘れられない 」
ぽつ、ぽつと雨が降り始めるように
私は心にあるものを吐き出していった
本来ならば私の言葉に耳を貸す義理なんてないのに
この場にいる必要なんてないのに
カレは優しいのだろうか
それとも同情でもしているのだろうか
嫌な考えすら思いつく
「 どうせここに来ているのなんて
同情か何かなんでしょう？ 」
「 そうよね、別れた女がズルズル引き摺って
連絡寄越すなんて
ばっかみたいよね、本当に 」
吐き出される棘はまだまだ鋭くなる
「 本当は私の事なんて好きじゃなかった
違う？ 」
「 だから、理由もなく別れた 」
「 馬鹿じゃないの＿
一途な女で遊んでたんでしょ 」
「 最低よ 」
"
"
「 でも_ 」
「 そんな最低な男に惚れた私も馬鹿みたい 」
違う、こんなことを言いたかったわけじゃない
" ありがとう " と言いたいだけだった
棘と共に雨まで止まらなくなってしまう
逃げ出したいけど、脚が動かない
前を向きたいけど、顔が動かない
でも目元と口は動いてしまう自分に嫌気が差した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Touka(プロフ) - 堕天使さん» ありがとうございます！わざわざこちらまでコメ下さり本当に嬉しいです(; ;)(; ;)今後も素敵と思ってくださるように頑張ります！本当にありがとうございます！！！堕天使さん大好きです(; ;) (2019年3月22日 23時) (
レス) id: 91a05ec412 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 改めて、新作おめでとうございます！曲を聴いてからもう一度読みに来ました、既に四回見ました。終離が読めなくて「？」ってなってたけど、ようやく合致してもっかい素敵！って思いました。！自分のペースで無理せず更新頑張ってね！待ってます！ (2019年3月22日 20時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Touka | 作成日時：2019年3月22日 14時
