歌い手の遊園地

ジェットコースターの次は ページ10

｢そらるさん、そらるさん！あれ乗りましょうよ！｣

そういい僕が指すのは、ジェットコースター

結構な大きさでジェットコースターが好きな僕にとっては乗らなくてはいけないという使命感に駆られる

ちらりと隣を見ると、愕然としてジェットコースターを見るそらるさん
そういえば、そらるさんは高いところ苦手だったな…

でも、そんなのは関係ない
そらるさんは僕と一緒に乗ってくれるに決まってる

｢そらるさん、乗りましょう！｣
｢え、いやだよ。お前だけで乗ってきて｣

間髪入れずに答えるそらるさんが、乗ってくれるかちょっと不安になる
僕1人じゃ、知らない人と隣になった時どうすればいいの？

不安そうな表情をすると、ちょっと迷いの出るそらるさん
明らかに困惑したようなそらるさんには、あと一押しで乗ってくれると踏んで、僕の奥義を発動させる

｢そらるさん…僕、そらるさんに付いてきて欲しいです…｣
必殺、上目遣い甘え！
効果は抜群で、ぐっと息をつまらせたそらるさんは渋々ながらも一緒に乗ってくれることとなった

｢怖い怖い｣
隣では青い顔のそらるさんが呪詛のように呟いているがそんなことを気にする余裕がないほど高揚していた
アップダウンが激しいもので、僕はテンションが上がっていた

｢行ってらっしゃい〜｣

笑顔で見送るスタッフさんの声が聞こえた瞬間僕は落ちた


結果、やっぱりジェットコースターは最高だった
なにが最高って、あの高さから落ちるとかすごくいい！

｢そらるさん！めっちゃ良くなかったですか！？｣
｢あ？どこがいいんだよ！｣
そらるさんの顔がぐっと歪む

そんなに嫌だったの…
｢そ、そらるさんごめ
｢お前にかっこいいところ見せようと思ったのに｣
……え？｣
｢かっこいい俺でいたかったのに｣


そらるさん……

｢そらるさん、僕のそらるさんはいつでもかっこいいですよ？｣
｢まふまふ……｣
｢はい」
いい事いうだろうと思ってそらるさんの声に耳を傾ける
｢お化け屋敷いこう｣

｢……え？｣

たっぷり10秒はその言葉の意味を考えていた
僕、お化け屋敷苦手なんだけど？

｢僕お化け屋敷いきたくないです｣

にやっと笑ったそらるさんは、お前だけは不公平だろ？と言う
不公平とかの問題じゃなくて！

｢いやいやいや！無理ですって！｣

｢かっこいいそらるさんが、可愛いまふまふを守ってやるからよ｣

｢うう……｣

可愛いなんて言われた僕は折れるしかないだろう
なんだかんだいいつつ僕はそらるさんが大好きなのだ

キャラメル味の→←メリーゴーランド

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す