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「吸血鬼である我輩が、わざわざ活動時間ではない、この真昼間にこうして、出向いてやってるというのに。これっぽっちの生ハムで満足するわけなかろう」
「あたしの料理にケチつけようなんて、100年早い！しかも、あんただけ特別扱いするわけないでしょ？」
「ほぅ、しっかりケチつけてやるから、それまでせいぜい長生きせぃ。まぁ、我輩は悠久の時を生きる吸血鬼じゃから、100年くらい楽勝だし」
「朔間、その設定激しく面倒！本当、お願いだから、前進んで！あとで叱られるのあたしなんだから」
Aは、零の後ろの長蛇の列を見て、マスク越しに盛大にため息をつく。この小さな子供のような、図体の大きい男子生徒を、最後の砦である目前の会計コーナーまで送り出すのに、毎週四苦八苦する。
そう、あれは、Aにとって思い出したくもない出来事である。
この金曜日の攻防がはじまって間もないことだ。零との生ハムを巡った諍いが白熱しすぎて、昼休み時間に食事を済ませられなかった生徒が続出し、生徒会役員の目に止まり、挙句の果てに上司にまで露呈する事態となった。言うまでまでもなく、Aは上司から大目玉をくらい、当面の間、日替わりメニューから生ハムサラダが姿を消すという末路を辿った。
そもそもの火種である零はのらりくらりと生徒会を撒いて、その場から姿は消したものの、毎週の楽しみであった『生ハムサラダを食す』という楽しみを失い、失意の毎日を過ごすこととなった。
この出来事を知る生徒からは、『生ハムの乱』と名付けられ、今でこそ笑い話になってはいるが。
それからしばらくして、他の生徒からの要望もあり、日替わりメニューとして生ハムサラダは不死鳥のごとく復活したのだが。零も馬鹿ではない。学習したのか、それからは、絶妙なタイミングでAとのやり取り終え、会計コーナーに移動するようになった。
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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下の注意文をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年10月6日 20時) (
レス) id: 8ab1f65ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はずみ | 作成日時：2019年10月6日 19時
