【ＮＡＲＵＴＯ疾風伝＝暁＝】貪欲で無欲な君に (ページ14)

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第十二話ページ14

長時間の移動はキライだ。

　疲れるばかりで何の得も無い。

　おまけに今は空の様子が如何わしい。

　この曇天は…時期に雨が来るな。

　木々へ飛び移りながらそんなことを思っていた。

　そもそもこの悪天で情報なんて収集したくない。

　犯罪組織が行動するのに、この上なくいい天気ではあるが、ぼくにとっちゃ最悪だ。

　雨はキライだ。

　音が、物凄く耳障りで仕方無い。

　だからそうなる前に、情報を早めに仕入れる。

「ゼツ、岩隠れとの距離は」

「早いね、あと５００ｍだよ」
「三日ハカカル岩隠レニモウ着クトハナ」

　まあ普通の人間とぼくとじゃ根本的に体のつくりが違うからな。

　チャクラも最小限のみ扱い、その分走ることに集中して体力を上手く温存する。

　長年生きてきた知恵ってヤツだ、それは伊達じゃない。

　でも、だとしても、だ。

　ゼツという案内係が居なければ、丸三日…それ以上はかかっていただろう。

　長年この地を歩き回っていたとはいえ、里の位置が把握できているのは、恐らく木ノ葉隠れの里しか知らん。

　各地に里が出来ていたときには既に地下牢に閉じ込められていたから、土地勘があろうと里がどの位置に出来たかわからないから迷ってお仕舞いだ。

　まあチャクラがたくさん集中しているところを捜せばいい話だが、目的場所と違ったところでは意味が無い。

　なら案内係をつけたほうが早い、と言うわけだ。

「さて、デイダラとか言ったか」

　里から少し離れた所にいるとペインから聞いた。

　今回は確認するだけだが、あわよくば仲間に引き入れろとのこと。

　で、ぼくの時空間忍術でイタチ、鬼鮫、サソリをその場に出せ、とのことだった。

　とんだ貧乏くじだな。

「……む」

　曇天だった天気はいつの間にか晴れに変わっていた。

　雨は降らないようだ。良かった。

　のんきにそんなことを思っていた、次の瞬間だった。

______________ドォンッ!!

　突如聞こえた爆発音。

　音が聞こえた方角は西……今の音の大きさからするに、２００ｍ先か。

　直感で分かった。

　そこにデイダラがいると。

　ぼくはスピードを上げた。