【鬼灯の冷徹】僕らはまだ不完全で (ページ25)

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25.モヤモヤページ25

閻魔「白澤君もシンシャちゃんも中学生だね」

ルチル「そ～ですね」

閻魔「鬼灯君も大学院1年生だね」

ルチル「そ～ですね」

閻魔「ルチルちゃん元気なくない？」

ルチルは「そんな事ないですよ」と笑顔で言いながら、右手に持っていた箸を割り、左手に持っていた茶碗にヒビを入れた

閻魔「そ…そう？ならいいんだけど…」

ルチルが不機嫌なのは明らかであったが、閻魔大王は恐ろしさからその真相に迫ろうとはしなかった

ルチル「それにしても、この箸は柔らかく、茶碗は熱に弱かったようですね」

閻魔大王は「ルチルちゃんがやったんでしょ？」と言う言葉を飲み込み「そ～ですね」と答える事しかできなかった

ルチル「"そ～ですね"ってなんですか？いいともはもうとっくに終わってますよ？」

閻魔大王は「ルチルちゃんが言ってたんでしょ!?」と突っ込みたくなったが、正面で目が座っているルチルを見て、もう何も言い返すことが出来なくなってしまった

ルチル「これではお米を食べることが出来ませんね。残念ですが、ごちそうさまでした。
先に仕事に戻ってますね」

閻魔「うん…ワシもすぐに戻るよ」

鬼灯が大学に通っている間は時間に余裕があり、地獄に戻って来ては仕事をしていた

しかし、無理矢理大学院に進学させられてからは論文制作に追われ、仕事どころではなくなった

鬼灯が仕事できない状況はルチルも予想していたので、それほどの痛手とはならなかった

だが鬼灯が地獄に帰ってきている時間が極端に少なくなってきていた

人には見えないのをいい事に、心配したルチルが大学に忍び込むと、女子大生に囲まれ行く手を阻まれている鬼灯がいた

それを見てからルチルは鬼灯の話題となるとイライラしては物に当たっていた

肝心のルチルに自覚は無く「地獄はポルターガイスト現象が起こるのか」と信じて止まなかった

ルチルが感情的にならず常に落ち着いていたため、周囲の人もその原因に気付くことは無かった

しかし、一番近くにいた閻魔大王はルチルの扱いに困っており、わかりやすくストレートに怒っていた鬼灯の方が付き合いやすく、鬼灯に早く戻って来てもらいたいと水面下で密かに願っていたのだった
2015.1.4