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08.恐怖 ページ8

A「ウッ…」

寝ていたら突然腹部が地球に押し寄せられる

いやこれは荷重がかかり腹部が押しつぶされている

何事かと思い起きてみれば、私の上に覆いかぶさるように白澤様が倒れている

なんでここに居るの?

その答えは私にはわからない

でも

なんで倒れているの?

その答えは明白であって、それはもちろん「私のせい」

A「白澤?」

恐る恐る白澤の肩を揺らすが反応な何もない

そして、私が素手で触れた部分から煙が発生する

長い事"普通の製品"に素手で触れたことがなかったからすっかり忘れていた

この煙は私の手から出ているのではない

私の手から出る毒によって、白澤の服の繊維が融けだしているのだ

もし私が白澤の身体に触れていたら?

A「うわぁぁぁぁぁ」

甦る悪夢

隠し切れない動揺

布団ごと白澤をなぎ倒して飛び起きる

ゴンッと言う音を立てて白澤は床に後頭部を打ちつけるが、それでも身動き一つしない

ヤバイヤバイヤバイどうしよう?

白澤が死んだらどうしよう?

不安と恐怖に駆られて冷静さを失う

「おやすみなさい」ってそう言う意味じゃなかったのに

次にくる「おはよう」を待ち望んでいたのに

A「白澤…起きてよ…お願いだから…」

涙が出そうになるのをグッと堪える

泣いてはいけない

触れてもいけない

呼吸もしてはいけない

近づいてはいけない

全て私のせいなのだから

ガスマスクと手袋を急いでつけ、携帯を片手に家の外へと走る

救急車!!

そう思った所で現世の救急車が樹海の奥まで入って来れるわけが無い

途方に暮れているとLINEの未読メッセージを伝える表示

鬼灯『おやすみなさい』

嬉しいはずのメッセージに今は喜ぶこともできず

藁にも縋る思いで鬼灯に電話をかけてみる

こんな真夜中に寝てるよね?

でもお願い…鬼灯…電話に出て

呼び出し音が止まると、鬼灯の声も聞かずに喋りだしていた

鬼灯は白澤が死ねばいいと言っていたが冗談じゃない

私はもう誰も殺したくないのに

A「鬼灯お願い…助けて…」

鬼灯は木霊さんと火車さんと一緒にすぐに来てくれた

鬼灯のおかげで白澤はふらつきながらも家の中から出てきた

良かったと安堵するが、こんな思いは二度としたくない

A「殺されたいのか?二度と私に関わるな!!」

私のやり方はまだ生ぬるかったんだろう

もっと

もっともっと拒絶して

心腐り果てないといけないようだ
2014.9.9

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設定タグ:鬼灯の冷徹 , 毒姫 , 白澤   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年8月31日 7時

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