【鬼灯の冷徹】猛毒少女【白澤】完結 (ページ6)

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06.ストーカー　白澤ページ6

今どきの携帯電話って便利だよね

GPS機能付きで相手がどこにいるかわかっちゃうんだから

まぁ、そんな面倒なことをしなくても、樹海で固定電話を引いてるって言ったら1件しかなかったんだけど

と言うか、樹海の中にまで電話線引いた企業がすごいよね

「おやすみなさい」って言ったしAちゃんは寝てるかな？

もう家の電気も消えてるし

僕白澤

今貴方の家の前にいるの

なんでこんなストーカー紛いの事をしたかと言うと

Aちゃんのガスマスクを外したのは僕なのに、その素顔は見えなかった

鬼灯はAちゃんの素顔を見て「綺麗だった」って言ってた

僕は回し蹴りまでされて全然見てなかったのに!!

だからリベンジしに来たんだ

流石のAちゃんも家の中じゃガスマスクはつけてないよね？

寝てる時なんか尚更つけてないよね？

こういうのは得意じゃないんだけど、戸締りしてた時用に針金を持ってきた

でも、鍵穴に針金を入れる前に玄関の扉は容易く開いた

樹海と言う環境からか、自分の体質からかAちゃんは不用心なようだ

家の中には乾燥させた植物が綺麗にガラスケースに入れられていた

机の上には分厚い薬草の本が何冊も置いてあって

そのどれもがボロボロになるぐらい読み込まれていた

また、解毒作用について調べた手書きのノートが本棚いっぱいに入っていた

今までたった一人でどれほど勉強してきたんだろう？

どれほど自分の事を恨んでいるんだろう？悔やんでいるんだろう？

僕はますますAちゃんの事が大好きになった

そして、大好きなAちゃんの寝こみを襲うため…

いやいや…

大好きなAちゃんと一緒に居たくて寝室へと入る

ベッドの中で布団を頭まで被り、規則正しく寝息を立てている

布団を外せばそこには美しい眠り姫が居て

眠り姫に王子(僕)が永遠の口付けを…

そんな事を考えているうちに、眠気に耐えられなくなって

僕はその場に倒れ込むようにして意識を手放した
2014.9.8