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37.真相 ページ37

小太郎「明日の午前中に釈放だ」

A「わざわざありがとう」

小太郎「残して逝った事を恨んでるか?」

A「そんな事ないよ。むしろ小太郎には感謝してる。生前はありがとう」

小太郎「私から死んでからの事は聞いた。すまなかったと思っている。
でも、皆を嫌ってくれるな?」

A「なんで?暗くて、狭くて、苦しくて…すごく辛かったんだよ?」

今も当時と状況は変わらないのだが

小太郎「私が死んだことで、殿がAを引き取りに来たらしい」

A「仕えるために?」

小太郎「違う。裏切られたら…と、急に怖くなったらしい。それでお前を殺しに来たんだ」

A「…え?」

小太郎「皆はお前を守ろうと隠したつもりだが、返り討ちに合って全滅したらしい。
最後まで誰も守ってやれずに…すまなかった」

A「私は…皆に嫌われて殺されたんじゃなかったの?」

小太郎「一族の長である私が死ぬことで動揺はしたらしい。
でも、ずっと一緒にいたAを嫌ったわけではない。
皆口下手だが、一人の人としてAを愛していた」

A「…小太郎…やばい。出てってくれる?」

小太郎「Aが望むなら」

A「あっ!!待って!!皆にありがとうって伝えといて」

小太郎が死んでから自分を責めた

生きていてはいけないのだと、自分の存在を恨んだ

誰からも必要とされていないと

誰も私を認めていないのだと思っていた

でも、みんなは私の事を大事にしてくれていた

私が有害な殺戮兵器だと知っていて、命を懸けて守ってくれた

死んでも体質が変わらなかったのは、殺した人たちの恨みか呪いだと思っていた

でも、私を一番必要としていなかったのは、誰よりも呪っていたのは

他でもない

私自身だったんだ
2014.10.14

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設定タグ:鬼灯の冷徹 , 毒姫 , 白澤   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年8月31日 7時

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