29.至福の時 ページ29
外出用のつなぎがぶかぶかになっていた
でも、タオルも巻いてさらしで固定したから大丈夫
そして顔の半分を隠してくれるガスマスク
A「なんとかごまかせるでしょう!!」
金魚草が微妙な顔をして見送ってくれていたのを私は知らなかった
地獄に行き、鬼灯と再会する
鬼灯「お久しぶりです。調子はどうですか?」
A「だいぶ慣れてきたよ。金魚草がだんだん長生きするようになって嬉しいよ」
鬼灯は何も悪くない
私の願いに協力してくれているだけなんだから
だから痩せた事とか一番知ってほしくない
営業スマイル。笑ってごまかしとけ
鬼灯「…なら良かったです///」
A「桃太郎様は?」
桃太郎「遅くなってすみませんでした」
桃太郎様が小走りでやってくる
その後ろには見慣れない古風な人達と動物達
芥子「私の毛づくろいに時間がかかってしまったんです。ごめんなさい」
A「う…うさぎが喋ってる!!?」
鬼灯「地獄なら当たり前ですよ」
A「金魚草は喋ってくれなかったよ?」
鬼灯「あれは動植物ですから。彼女が昨日伝えた芥子さんです」
A「うさぎどんは女の子だったんですか?可愛いですね」
芥子「えへへ。ありがとうございます」
A「あの…サインもらってもいいですか?」
芥子「私のなんかでいいんですか?」
A「はい!!」
桃太郎「彼らのスペースも開けておいてくださいよ?」
A「彼ら…とは?」
桃太郎様が見慣れない古風な人達の自己紹介をしてくれる
一寸法師・金太郎・垢太郎・かぐや姫
動物は桃太郎様のお供のシロ・柿助・ルリオ、分福茶釜
桃太郎「本当はもっと沢山いるんですけど…。集める時間がなくてすみません」
A「桃太郎様が声をかけてくれたんですか?」
桃太郎「はい。前に『書物化されている人物以上の偉人はいない』って言ってもらえて嬉しかったんです。
それに『世間も知らない』って言ってたから…親近感を持ってもらえたらいいなぁ〜と思って」
A「ありがとうございます」
物語の主人公に会えたことが嬉しくて
桃太郎様の気遣いが、優しさが身に染みて
A「同じ色紙なんて失礼です!!1人1枚でお願いします。今すぐ買ってきますから!!」
涙をこらえることが出来ず、私は一度席を外した
2014.10.14
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年8月31日 7時