【鬼灯の冷徹】猛毒少女【白澤】完結 (ページ20)

今日:28 hit、昨日:6 hit、合計:37,357 hit

20.怠惰の思想を堕胎せよページ20

A「私の研究は毒を盛って毒を制すです。
身体が元気だから有害物質が抵抗しようと活発になり、最後は死に至ります。
だから身体の元気をなくし、逆に有害なものとなれば、有害物質は諦めて勝手に死滅します」

Aさんが壇上に上がった時に会場はざわついたが

Aさんの発表を聞いて、会場は騒然となった

そして、発表が終わってからは質問の嵐だった

「毒は有害物質でしかなく、それを治療薬として使うのはいかなるものか？」

A「麻薬だって疼痛コントロールとして使われています。
効果がわかっているのであれば、どんなものだって使うべきだと思います」

「副作用は何もないのか？」

A「残念ながら副作用はあります」

「そんな危険な治療をして意味があるのか？」

A「不治の病と言われ、生きるのを諦めた人たちの最後の救いです。
治療せずに死ぬか、辛い治療を乗り越えて生きるかと言った所ですね」

「実際に治療したことは？完治したのか？死亡率は？」

A「すでに何例か治療して、完治しています。
副作用は強い物でしたが、今のところ死亡には至っていません」

質問と言うよりは、Aさんを否定する意見が言われるようになった

桃太郎「Aさん大丈夫ですかね？」

鬼灯「Aさんも覚悟の上で参加していると思いますよ」

桃太郎「でも…これじゃぁ可哀想じゃないですか？」

白澤「Aちゃんなら大丈夫だよ」

「もし死者が出たらどうするんだ？倫理的にはどうなんだ？」

「そんな危険な治療が許されるとでも思っているのか？」

「無理なものは無理なんだ。そんな危ない橋を渡る必要がどこにある」

A「生きたいと思う人に直接そんなことが言えますか？
無理だと諦めて匙を投げているくせに、「最善を尽くしたと」嘘をつき続けるんですか？」

Aさんが力無くつぶやいた言葉に会場は静まり返る

A「治らないとわかりながらも懸命に生きている人に、知識ある私達が最後の砦になれなくてどうするんですか？
私の研究は好きなように評価すればいい。
でも、私が治療した勇気ある人達を罵倒することは絶対に許しませんから!!」

桃太郎「すごい…皆何も言えなくなりましたね」

白澤「だから言ったでしょ？
Aちゃんはいつも人の為に生きてきた子だから。
人の役に立てたって言う自信はとても大きな力になってるんだよ」
2014.10.2