【鬼灯の冷徹】猛毒少女【白澤】完結

19.縮めたい距離 ページ19

A「死にたがりの馬鹿ばっかりじゃないか…私も発表があるから失礼します」

白澤「行ってらっしゃい」

A「…ありがとう」

白澤と桃太郎で手を振ってAを見送る

白澤「Aちゃん喜んでたね」

桃太郎「そうですか？」

白澤「顔に出てたでしょ？」

桃太郎「顔半分隠れてて見えないんですけど」

白澤「女心がわからないとか、桃タロー君はまだまだだなぁ〜」

桃太郎「白澤様とは場数が違いすぎますよ」

白澤「だから桃タロー君は素直な気持ちが言えるんだよ。
僕には言えない事だったから羨ましいよ」

桃太郎「何のことですか？」

白澤「自覚がないのは腹立たしいけど。
Aちゃんを元気づけたのは間違いなく桃タロー君だよ。
僕の何がいけなかったんだろう？」


鬼灯「(私の何がいけなかったんだ？金魚の糞って…)はぁ〜」

A「人の溜息を聞くのは嫌いだな。お疲れ様」

鬼灯「Aさんは溜息どころか、呼気もわかりませんけどね」

A「これ(ガスマスク)があるからね」

鬼灯「そんなのつけてて息苦しくないんですか？」

A「もう慣れた」

慣れたと言う割には元気がない

鬼灯「…何かありましたか？」

A「そろいもそろって馬鹿だなぁ〜と思って」

鬼灯「誰がですか？」

A「白澤も桃太郎様も鬼灯も。何がしたいんだよ」

鬼灯「Aさんと一緒に居たいんです。力になりたいんです。
それ以外に理由が必要ですか？」

A「死ぬかもしれないと言う恐怖心は無いの？」

鬼灯「そんなのは死んでから後悔すればいいじゃないですか。
やらないで死ぬ後悔と、やりきって死ぬ後悔は違います。
そもそも、神獣と亡者と鬼神がもう一度死ねるかどうかって話ですけどね」

A「そうか…鬼灯の研究に私も参加させてもらえないかな？」

鬼灯「共同研究ですか？」

A「いや。被験体として使ってくれればいいよ」

鬼灯「でも…もし死んでしまったら？」

A「もう1回死ねたらなぁ〜って思ってたし。
やりきって死ねるなら本望だよ。でしょ？」

鬼灯「Aさんこそ怖くないんですか？」

A「死ぬことは怖くないよ。
むしろ転生してこの身体と別れることが出来ればどれほど嬉しいか。
でも、馬鹿どもと戯れた後…一人になるのが一番怖くてしょうがない…
中途半端に手を出した鬼灯が悪いんだ。
期待させたからには、最後までやりきってもらうからね？」
2014.9.28

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