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18.コントロール ページ18

桃太郎「Aさんに聞きたいことは沢山あります。
でも、今日一日でAさんの事を全部知りたいとは思いません」

A「…は?」

桃太郎「今日限りの関係なんて寂しい事を言わないで下さい。
またどこかで会いましょうよ。会えなくても、連絡を取り合ったり…少しずつでいいんです。
ゆっくり時間をかけて、確実に着実にAさんの事を理解していきたいんです」

A「えぇ〜!?それなら却下」

桃太郎「なんでですか?」

A「旅の恥はかき捨てですよ?使い捨ての人間関係だから晒せるものがあるんですよ?」

桃太郎「なんでそうも関わりを嫌うんですか?」

A「それは…」

さっきまで鬼灯が気遣ってくれていたが、ここで言ってしまっていいものか?

でも、隠していた所で桃太郎様との距離は縮まっていく一方

私の嬉しさの後には不安がいつもついて回る

早めに断ち切るに越したことは無い

A「私が大量殺人兵器だからです」

桃太郎「マジか」

ほら。恐れおののいて私の事を軽蔑するんだ

桃太郎「兵器ってどう言う事ですか?」

A「…え?…あぁ〜えっと…怖くないんですか?」

桃太郎「昔の話ですよね?」

A「昔と言えば…昔ですね」

生前は無自覚で人を沢山殺してきたが

自分の事を理解してからは故意に人を殺めた覚えはない

桃太郎「白澤様が倒れた時は驚きましたけど、殺意はどこにもないんですよね?」

A「全く持ってないですよ」

桃太郎「あれはどうやってやったんですか?
サインペンは融けたのに、どうして白澤様は融けなかったんですか?」

白澤「それは僕も不思議に思った。なんで?」

厄介な奴が戻ってきた

A「感情をコントロールするように、毒の作用や分泌を微調整できるから」

白澤「そんなことが出来たの?じゃぁ僕が抱きついても微調整でウッ!!?」

本当に懲りない奴の横腹に蹴りを入れる

A「毒は出ないわけじゃない。常に出続けているから触るな!!」

桃太郎「毒が出るとか、コントロールとかどういう事ですか?」

A「私は毒を摂取して毒を分泌する殺人兵器です」

あんなに嫌だった自分の存在を、こんなにあっさり説明できる日が来るとは思ってもみなかったが

A「だから人と関わる事は…」

桃太郎「俺が好きでAさんと一緒に居たいんです。
それで何かあってもAさんが気にすることは無いですよ」

白澤「そうそう。自己責任なんだから」
2014.9.28

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設定タグ:鬼灯の冷徹 , 毒姫 , 白澤   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年8月31日 7時

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