【ダンガンロンパシリーズ】Self satisfaction【短編集】

楽園 ページ28

「七海さんはこの世に『楽園』ってあると思う？」

銀髪を靡かせながら、こちらを見る青い目。

長月さんは、個性的なメンバーの中でも不思議な雰囲気を出していると思う。
狛枝くんも不思議だけど、彼とは違う不思議さ……って言えばいいかな。

「……どうしたの？」
「なんとなく気になったの、あるのかなーって」

突拍子無く物事を訪ねるのも長月さんの特徴だ。
そういう風に、『データベース』に書いてあった。

「……あるんじゃないかな。
長月さんがある、と思えば……きっと、あると思うよ」

と、AIに従って答える。
そう、私はプログラム。
長月さんが言う『この世』を見たことすらない……紛いモノの人。

「そっか……ねぇ、七海さん」
「……？
「もし、ココから出れたらさ。
私と一緒にお出かけしようよ、『楽園』探しの旅」

ごめんね、長月さん。
それは叶わない夢なんだよ。

ニコニコと笑う彼女を見て何故か、何かが強く締め付けられるような感覚になった。

◇

初の女の子なのですよ。
百合っぽく感じますかね？ 個人的には違うのですが……。

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