世界は麗らか【文スト】

06. ページ7

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ﾌﾞ-ﾌﾞ-



「んー………」




うっすらと目を開けると 携帯がアラームを鳴らしている。もう朝かあ




ﾌﾞ-ﾌﾞ-



「起きるよー起きるからー……」




ぼんやりする思考の中 手探りで何とかアラームを止めた




「あと…少しだけ…………」




『A、 俺だ』



………え…? 作之助の声がしたような……




「んー ねむい……」




瞼が下がる きっと気のせい




『A、』




優しい声が脳内に響いて 眠いはずの瞼が開く。起き上がってみると、通話画面の携帯。アラームじゃなかったんだ




「ごめん、作之助 寝ぼけてた」



『みたいだな』



携帯越しに聞こえてくる笑い声。ぼんやりと部屋の時計を見ると、まだ朝の五時。



「どうしたの? こんな朝早く」



ベッドから降りて カーテンを開ける。まだ朝日登ってないよ。どんだけ早いの




『昨日、太宰がそっちの方で通り魔が出たと言っていてな』



「え、そうなの？」



驚いてコーヒーを入れる手を止める、全然知らなかった。




『まだ犯人は捕まってないらしい。外に出る時は気をつけろ』




「うん、了解。わざわざありがとう」




「作之助も気をつけてね」と言うと、「あぁ」と気の抜けた返事が聞こえて電話を切った



そういえば、前にも近くで火事があった時、「大丈夫か!?」ってすごい必至に電話をかけてきてくれた




「心配性だなぁ」




そこが彼のいい所でもある。それはよく知っている。




「まぁ、そんなにやわじゃないけどね」




体力には自信がある方だし、護身術も心得ている。お酒はまぁ……弱いかもしれないけれど




ー回想ー


『老舗でいい酒を見つけたんだ、一緒に飲まないかい？』



『いいね 美味しそう! あ、確か蟹缶あったよ』



『太宰、ほどほどにしてくれよ。Aは酔うと大変だからな』



『うっ……』



『大丈夫、そんなに強いやつじゃないから。それにA好みだと思うよ』




太宰が買ってきたお酒を、私の家で三人で飲む。バーに行く事もあるけど、何だかんだ家の方に集まってしまうことの方が多い。




「最近は飲んでないなー 」



コーヒーを飲んで チラシに目を通す。あ、今日セールやってるんだ。すぐ近くのショッピングモール





「暇だし、行こうかな」




カップを置き、出かける準備をした。



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