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38. ページ39

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あれからおばあちゃんと別れて


私はまだ喫茶店に残っている




カラン カラン



店のドアが開く




「おや 美しい人がいると思ったら 奇遇だね」



「あれ、太宰 」




声のした方を見ると にっこり笑う太宰



私の隣によいしょと座った





「珍しいね Aがいるなんて」



「さっきまで素敵なおばあちゃんと一緒だったの」




「ご婦人と?」と聞かれ 道案内した縁でねと飲みながら答える





「私は紅茶を」



「かしこまりました〜」




こちらに近付いた太宰は 少し髪が濡れていた




「入水は失敗したみたいだね」



「あれ、バレた?」




ハンカチを渡すと 太宰は受け取って頬を拭く



どうして失敗したかは聞かないけど




「成功してたら 太宰はここにはいないね」



「そうだね」





今 隣に太宰が座っている事実が



決して当たり前ではない事に 改めて気づかされる




「それは寂しいかな」




ハンカチを受け取りながらそう言う




「ここに来てよかったよ Aがいたからね」




微笑み返して 珈琲を飲む ほっとする味




「美味しいです とっても」



「ふふ ありがとう御座います」




可愛い店員さんだなぁ 絵の参考にさせてもらおう





「ここは探偵社御用達のお店なのだよ」



「そうなの?」




"喫茶うずまき" 古風で趣きのあるお店。よく考えたらここ、探偵社の一階だったような




「いいお店 また来ようかな」




「いつでもおいで 日中にAに会えるのなかなかないからね」




「その前にお仕事ね」



「その前に ツケがたまってますよ 太宰さん」



「あぁー! 二人の抜け目なさが眩しい!」




というか、ツケたまってるのね。一体幾らたまっている事やら




私は呆れながら 珈琲をすすった




____________




敦side



午前中のお仕事が終わって 国木田さんと一階のうずまきに向かう



織田さんはキリのいい所まで終わらせると言っていた




カラン カラン




「あの映画はなかなかのものだったねぇ」



「ほんと? 半分しか覚えてない」



「ふふ 途中から寝てしまっていたよ」




「「………………」」





いつの間にか戻ってきている太宰さん



その隣には 物凄く綺麗な女性がいて



仲睦まじく話している




「「………………」」





国木田さんは太宰さんの方へは行かず 右手と右足を同時に出して歩き出し 無言でテーブル席へ座った




「(………誰なんだ!?その女性は!!!)」




と、心の中で叫んでいるのが何となく分かった




.

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設定タグ:文スト , 織田作之助 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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柚子の香(プロフ) - キリカさん» いえいえ!頑張ってくださいね! (2018年8月27日 17時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 柚子の香さん» ありがとうございます。ほんとだ"敦"ですね。すみませんありがとうございます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 唯我独尊丸さん» わぁ ありがとうございます。うれしいです! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
柚子の香(プロフ) - 凄く面白い!ただ、ひとつだけいいですか?漢字が『淳』では無く『敦』だと思います。なんかすみません。この作品大好きです!更新楽しみにしてますね! (2018年8月27日 0時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
唯我独尊丸(プロフ) - 凄く面白かったです!イッキ読みしちゃいました笑更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2018年8月26日 23時) (レス) id: 2689cacca6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キリカ | 作成日時:2018年8月22日 19時

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