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お昼過ぎ
打ち合わせも終わり信号待ちをしていると
「おじょーさん、ちょいと道をお尋ねしても良いい?」
隣には大きな荷物を抱えたおばあちゃん 重いせいか腰が曲がっている
「はい どこでしょうか?」
荷物を持つと「ありがとねぇ」と言いながら地図を出す。おぉ 結構重い
「この和菓子屋に行きたいの」
見てみるとたまに作之助と行くお店だった。良かった分かるお店で
「ここなら知ってます一緒に行きましょう」
「ええのかい?」
「はい 時間はあるので大丈夫ですよ」
おばあちゃんと歩き出して 和菓子屋さんへと向かう
その間におばあちゃんのお話を聞く。なんでもお孫さんがヨコハマで働いていて明日会うためにこっちに来たらしい
無事和菓子は買えてお店を出る
「他に行きたいとこはありますか?」
「いんや、もう十分だよありがとねぇ」
にっこりと笑って答えるおばあちゃん。優しさが滲み出るその笑顔は眩しい
荷物を渡すと 手をぎゅっと握られる
「お礼をさせておくれ」それだけ言うとぐんと引っ張られ歩き出す
「え、そんな いいですよお礼なんて」
「いいからいいから」
「ばあちゃんのお願い聞いて?」とまるで自分の我儘のように言う なんだか申し訳ない
ｶﾗﾝ ｶﾗﾝ
「いらっしゃいませ お好きなお席へどうぞ」
おばあちゃんに手を引かれたまま カウンターの席へ座る
「好きなもの頼んでね」
「は、はいありがとうございます」
その後 珈琲を頼んで おばあちゃんとのお話に花を咲かせる
おばあちゃんの女学校の時の話や ご結婚されてからのお話 お孫さんのお話
その全てを微笑みながら話すその姿に 心が和む
「おじょうさんの笑顔はまるでお日様ね」
「え?」
急に私をじっと見つめながらそんな事を言うおばあちゃん
「今日会ったばかりのばあちゃんの話を聞いてくれる子はなかなかおらんよ」
にっこりと笑うその瞳には 微かに涙が見えた。その瞬間きゅっと心が締め付けられる
「あなたの周りにいる人は 幸せね」
その笑顔を大事にね と、手をぎゅっと握られる。暖かくて手の平からぬくもりを感じた
「寧ろ私が周りに恵まれている気がします」
助けられてばかりで、私が何か何かしてあげられてるかな
「大丈夫 あなたが思っている以上に あなたは大切にされてるわ」
ね、と強く握られる
その言葉は心にじんわりと溶け込んでいき
太宰と作之助の顔が浮かんだ
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柚子の香(プロフ) - キリカさん» いえいえ！頑張ってくださいね！ (2018年8月27日 17時) (
レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 柚子の香さん» ありがとうございます。ほんとだ"敦"ですね。すみませんありがとうございます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 唯我独尊丸さん» わぁ ありがとうございます。うれしいです! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
柚子の香(プロフ) - 凄く面白い！ただ、ひとつだけいいですか？漢字が『淳』では無く『敦』だと思います。なんかすみません。この作品大好きです！更新楽しみにしてますね！ (2018年8月27日 0時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
唯我独尊丸(プロフ) - 凄く面白かったです！イッキ読みしちゃいました笑更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2018年8月26日 23時) (レス) id: 2689cacca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカ
| 作成日時：2018年8月22日 19時
