俺が好きになったやつ 【影山飛雄】

・ ページ4

.



頭から離れないのは 昨日の光景




ﾀﾞﾝｯと心臓を鼓動させるような音、洗練されたような動きに手つき、そして視線 綺麗だった




あれはサーブというものだと知れた、嬉しい




「また見たいな」




午後の授業は、そればかり考えていた





…………





「え、影山その子に会ったの?」


「はい、自販機の前で」


「運命みたいだな!!」


「そっスか?」




部活の予定表を渡しに来た菅原さんと西谷さん。この日練習午前中だけかよ 午後は自主トレにするか




予定表を見ていると、「おい影山!」と呼ばれ顔を上げるとすごい顔で睨まれる




「なんですか?」


「いやいやいや、それで?」


「で?」


「デ!」


「なんで西谷もデ!なんだよ! その子の名前ちゃんと聞いたのか?」


「あぁ、忘れてました」


「影山忘れっぽいんだなァ!」



「そうじゃないだろ! 仮にも告白されたんだから、ちゃんと返事しないとだろ! その前に名前からだけど!」




ｶﾞｼｯと肩を掴まれ 説教のように言われる。でも俺あいつに名前言ってねぇし 聞かれてもいない




「あの、告白もなにも あんまそういう感じじゃなかったです」


「へ?」


「さっき話した時、そういう話は出なかったんで」


「で、出なかったの?」


「はい、あと日向よりもボケかもしれません。それにバレーの事全然知らないのに 見たいって言ってました」



「おぉぉ! 女子が見にくるのか!!」




ｷ-ﾝｺ-ﾝ ｶ-ﾝｺ-ﾝ




「じゃあ、失礼します」



お辞儀して 教室に入った。次は英語か…寝る





…………



「影山、名前よりもその子の事知ってんだな」


「面白いッスね!」


「ちょっと気になるよなぁ〜 どんな子なんだべ」




影山がいなくなった廊下でそんな会話が あったとさ



.

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す