9.主と執事 ページ10
ファントムハイヴ邸…──＜セバスチャンside＞
夜…。晩餐会が終わり、お客様も帰られ、坊ちゃんもおやすみになる時間…。
シ)「Aはしばらくアンダーテイカーの奴に任せるとしてだ。こちらはこちらで調べを進めないとな」
あくびをしながら呑気な口調の坊ちゃん。
やる気あるんですか?←
セ)「何から?」
シ)「そうだな…」
ベッドに腰掛け、すっと目を細める。
シ)「まずは過去の取り替え子事件の被害者と遺体(子供)たちの名簿の作成しろ。次にそこから幾つかの方向で共通点を見付ける」
セ)「御意」
シ)「それから明日、もう一度ロンドンに行く」
セ)「Aさんを引き取りに?」
シ)「いや、マッケンジー家だ」
セ)「…気になりますか?」
シ)「あぁ。夫人は何か知っている気がする。少なくともAのことは」
セ)「随分と取り乱しておいでのようでしたし、数あるご遺体の中からなぜAさんだけを処分しようとしたのか…」
シ)「不吉な子…彼女が何を根拠にそう表現したのか是非伺いたい((ｸｽｯ」
女王の死神の当主にも会ってみたいしな、と坊ちゃん。
セ)「宜しいのですか?葬儀屋見習いならともかく、ファントムハイヴ伯爵としてお会いできるか…。仮にお会いできたとしても、話しをして頂ける保証はありませんよ」
シ)「何とかしろ。お前の仕事だ」←
・・・(＾＾)←
シ)「“死神”の相手は得意だろう?((ﾆﾔﾘ」
死神違いですよと、心の中で呟き、とりあえず自分の顔面に笑顔を張り付ける。
シ)「ﾌｯ…))」
私の心情を察したのか、口元だけで笑う坊ちゃん。楽しんでいるとしか思えませんね。イライr((ｺﾞﾎﾝ←とにかく…
セ)「では早速、被害者の名簿の作成に取り掛かります。マッケンジー家には今夜中にお電話でアポを取り付けておきます＾＾」
シ)「ん」
私は布団に潜り込む坊ちゃんを呼び止めた。
セ)「時に坊ちゃん」
シ)「?」
眠たげな…しかし、今にも何だ?と言いそうな鬱陶しいものを見るような目でこちらを見る。
セ)「Aさんはいつ頃お迎えに?」
お部屋なら既に、とお伺いをたてる。
シ)「しばらく放っておけ」
素っ気なく言い放った。
シ)「見かけからしてAは明らかに庶民だ。指輪が引っ掛かるが…何にせよ、記憶を戻すなら、住み慣れた環境に身を置いた方がいいだろう」
意外とまともなことを仰る。←
セ)「わかりました。では失礼いたします」
シ)「ん」
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