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何度傷つけば、報われるのだろう
他人事のように考えた
いつだかの後悔を棚に上げ
俺ならそんなことしない、なんて言えない
同性愛なんて、昔と違いさほど差別も受けなくなっている
それでも報われない
ただ、男と女がするようなことが、性別という壁によって阻まれる
そうして切り裂かれた彼が、綺麗だなんて
「辛いなら、逃げたって構わないんじゃないか」
「え」
最低だろうか
「とにかく、今日は泊ってけよ」
「…でも」
「今から帰るのか？この位気にするな」
負い目はあった
口には出さないが
今度は、俺が支えるから
なんて柄にもないことが浮かんだのだ
「…ごめん」
「…月貴、なんだか変わったな」
「そうか？」
「前はもっと、明るいというか無駄にうるさいというか」
「酷いな」
月貴が笑ったことに銃兎は安心した
変わったと言われても、月貴にそんな自覚はなかった
変わったんじゃない、慎重になっただけだ
傷つきたくないから
そんな自衛すらもまともにできない有様だけど
「すまん、俺はこれから署に戻る。シャワーとベッド、自由に使っていいから」
ぼんやりと考えていた頭に衝撃が走る
署に戻る？
勤務中だったのか？
「悪い、仕事中に無茶言って」
「いいと言っているだろう？お前の頼みだからな」
口走り、しまったという顔をして
銃兎は足早に玄関へ向かった
優しさの一つ一つが身に染みる
それでも、残した後悔、あの人が頭をかすめた
ああ、なんでお前、そんなに良いやつなんだよ
こんなことなら、ずっと忘れていたかった
人んちでだめだと思いつつ
ぼろぼろ涙が溢れる
ねえ、俺どうしたらいい
どうしたらいいんだよ
あんなひどいこと言われて、逃げて
それでも好きで
なのに銃兎に優しくされて
最低なこと、考えた
気持ちが無い
何処にも無いとわかっていても、月貴はどこかで求めていた
その結果だった
現実は酷く心を傷つけ、抉り、人からの優しさを過剰に求めた
＿限界だった
空虚を埋める手立てがない
気持ちばかり先行する
それでも甘い言葉ばかり投げつけてくるものだから、胃もたれしそうだった
おちる涙と一緒に、このきもちもすり減ってしまえばいいのに
むしろ落ちるたびに深くなってしまうそれを
止めようと躍起になった
止まる頃には、覚悟はできていた
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Last(プロフ) - いおさん» ありがとうございます。詩的な表現に気を遣っていたのですが、そう言っていただけてとてもうれしいです。完結までよろしくお願いします。 (2019年6月1日 21時) (
レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 素晴らしすぎる作品ですね…!続きが気になり過ぎて堪らないです!!文章も綺麗で、何から何まで素敵な作品です…!!これからも頑張ってください…!! (2019年5月28日 23時) (レス) id: 1d7aa46e15 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます。お話も割と終盤ですが今後も楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月26日 15時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - しんどい…好き…めっちゃ心抉られるくらいキュンときます…俺的にはどストライクすぎます。作者さん好きです（） (2019年5月25日 0時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 腐女神さん» ありがとうございます。完結まであとわずかですが今後とも気長に待っていただけると幸いです。 (2019年5月19日 2時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2019年4月27日 1時
