‡ボーカロイドとワタシ‡

ボーカロイドとワタシ　16　・・・先生・・・ ページ19

教室中が一瞬にして凍りついた。


　キーン コーン カーン コーン


学校のチャイムが鳴り、他の生徒もハッとして席につく。

彼女は私を睨み付けて、自分の席へと戻っていく。

私に水をかけた人達も、私を睨み付け、早々に席に戻って行った。


私はビショ濡れ。 寒いし、本当に最悪。

教室の前のドアが横に開いて、私のクラスの担任が入ってくる。

「おはよう〜。 って、うわ！？
　どうしたの、Aちゃん！？」

担任は女の若い先生で、皆の事を 〜ちゃん とか、ちゃん付けで呼ぶ。

後ろの席で立っている私を見るなり、ビックリして、近寄ってくる。

「なぁに、こんな季節に。
　あらあら・・・。 何でこんな事したの？」

ポケットから、小さな黄色のハンカチを取って、私の顔等を拭き始めた。

私はそんな中、チラリと、彼女達を見た。

彼女達は、”言うな”と言わんばかりに、私を物凄い目で睨み付けていた。

「ちょっと・・・。 転んじゃって・・・。
　水溜りに入っちゃって・・・。」

「あらあら、災難ねぇ・・・。
　とりあえず、保健室行ってきなさいな。」

大体の場所を拭き終わったのか、ハンカチをしまう。

私はコクンと頷くと、素早く保健室へと向かった。

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