ただ、あまい 【 るぅと 】

＃４２ ページ43

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絶対見るなと念押しして髪と体を洗うと
しばらくの間彼と同じ匂いだなあって思わず頬が緩んでしまう。

お風呂場から出て 彼から借りた部屋着に着替えると
やっぱり大きくてぶかぶか

彼の匂いがする。しあわせ。

軽くタオルで髪の毛を拭いて彼が来るのを待つ

髪を乾かすのは彼のお仕事


「 ふぅ、あっ、また照れてる 」


お風呂場から上がった彼は いい具合に滴った髪をしていて こういうのを 水も滴るいい男 というのだろう

タオルを身につけていても、恥ずかしくて
少し目線を外してしまう。


「 ぶかぶかだね。…萌え袖かわいい 」

スウェットに着替えた彼は ドライヤーを手に持って
私を椅子に座らせた。

ああ、手つきが優しくて寝そう。

「 せんぱいから僕の匂いする、うれしい 」

乾き終わった髪はサラサラしてていい香り。
全身から彼の匂いがして変な感じ。

寝る前のデザートってリビングへ手を引かれて
冷蔵庫の中のアイスをひと齧り。

やっぱり少し寒い 。

身震いすれば彼が後ろからそっと抱き締めてくれる。


『 寒くないの？半袖短パンって小僧みたい 』

「 せんぱいが温かいから大丈夫。へへっ、カイロみたい 」


頬をすりすりとされると彼の冷たい頬に触れる。
アイスを食べていたからかひんやりしていて、彼の頬を手で包み込む。

手暖かいっていつも言ってくれるからそっと触れてみる。


「 ん？…温めてくれてるの？ 」


『 冷たく、ない？ 』


「 あったかいけど、…ぎゅーした方があったかいかな、」


ソファーに2人で倒れ込んで抱き締められる。

彼を包み込むように抱きしめてあげると 頭を撫でてくれた。


なんだろ、甘えたい気分だ。


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