ただ、あまい 【 るぅと 】

＃６１ ページ13

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夜遅くの学校はやっぱり少し苦手


当日が近づいてきて自主練を始めたは良いものの
やっぱり夜遅くの学校は不気味で怖い。

ひとりじゃなかったことが救いだ。


「 ステージ緊張しますね 」


『 でも、結構楽しみだよ 』


演奏するのはすき。聴くのはもっと好き。

このメンバーで演奏するのはもう最後かもしれないし
いい思い出にしたいな。

一生に一度の思い出だもん。


「 そろそろ片付けましょう？もう外真っ暗ですし 」


彼の一言で楽器を片付け始める。

空は漆黒に染められているように見えて、恐怖心を煽る。


「 はい、手 」


手は彼のポッケの中

ひんやりしてて冷たい

明るかった教室の灯りを消せば当たりが暗くて
思わず彼に抱きつく。

大丈夫〜って宥められてしまった。


「 僕いるから大丈夫でちゅよ〜、よちよち 」


『 うるさいっ、子供扱いしないで！』


でもちょっと、強がっちゃうからぎゅっと彼の手を握る。

彼は何も言わないけど そっと握り返してくれる。

そっと腰を寄せてくれた。


「 誰も居ないから、こーいうことしても何も言われないです 」

彼の顔を見ると 優しい顔をしていて
ちゅっと唇が触れた。

じんわり暖かくて、優しくて、甘い。


「 怖くなくなった…？ 」


『 ドキドキして心臓痛くなった 』


僕もです ってそっぽを向く。

耳が真っ赤で分かりやすいですよ。


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