ただ、あまい 【 るぅと 】

＃６０ ページ12

.



教室に戻った頃にはお洒落な喫茶店の雰囲気が醸し出されていて看板もいい感じ

メニューも美味しそうなものが多いし当日が楽しみ。


「 お前がサボるせいで1人で看板作った 」


『 ご、ごめん…。でも、オシャレだね 』


看板製作は2人だけだったから彼には申し訳ないことをしてしまった。

文化祭の日、なにか奢ってあげよう。


「 タピオカ奢れよ。1年のクラスでタピオカやるらしいから 」


タピオカといえば、確かるぅとくん達のクラスだった気がする…。

莉犬くんがタピオカやるから来てねってチラシをくれたんだっけ。


「 あとさとみくんのクラスのホットドックも奢って。絶対うまいから来いって勧められた 」


「 あ、あとお化け屋敷も付き合って 」


隣のクラスの提案で行われるお化け屋敷

本校の名物とも言えるもので毎年大掛かりである。


『 …いや、お化け屋敷は絶対嫌〜〜！！ 』


彼から逃げるように威嚇する。

お化けとか妖怪とかそういう類のものは幼い頃から苦手だ。

まともにお化け屋敷に入れた試しがない。


「 サボったくせに。ふーん？ 」


口角を上げて ゲスい笑顔を浮かべる。

歯向かうの？って顔が近づくからぞわっと背筋が凍る


『 ……がんばります 』


文化祭、憂鬱な日になりそうです。


.

＃６１→←＃５９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す