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治癒の色 ページ10
*
“獣”は加州清光さまにくらいつき、其の儘持ち上げる。
「加州清光さま、今直ぐ手入いたします。」
全力を出し、手入部屋に駆け込む。
資材、早く資材を用意しないと…！
冷却材に、あと、これと…＿
必要な量の資材を集め、布団に寝転ぶ痛々しい傷を負った加州清光さまの隣に座る。
………。
大きく深呼吸をして、加州清光さまに霊力を注ぎ込む。
手の平から、何かが出て行っているのを肌で感じた。
加州清光さま、頑張ってください。
最後に資材で丁寧に刃を整わせ、ポンポンと掃っていく。
「…ふぅ」
目の前で眠る加州清光さまは、元の姿に戻り、静かな吐息を立てていた。
嗚呼、良かった……。
*
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作者名：fu | 作成日時：2021年6月26日 12時
