遠くの街としあわせと・・２(ＪＵＭＰxＪＵＭＰ) 街シリーズ(２)

おまけ『この街で。』＝９色・１＝　〜慧さいど〜 ページ19

バスを降りて、買い物した紙袋をガサガサと揺らして

ウキウキ、侑李と手をつないで

海岸通りをお家まで、テクテク歩いてく。




海の光りが反射して、

青い屋根のお家がキラキラしてるの。



「侑李、もーすぐだよ。」


「ん。まま。」


「侑李、荷物重くない？へーき？」


「へぃきだよ、ままっ。
　ままこそー、おもい？へぃき？」



「ぅん。へーき。
　だって、あと少し・・。」

って、言って・・

フッと前を見ると＿＿＿＿＿。




颯爽と風に髪をなびかせて王子様みたいに

こっちに、走ってくる人・・

あっ。って思ったのにぃ・・侑李がね・・


「あっ。ぱぱだぁ〜。」って言っちゃうの。




おれは、先を越されたのが

ちょっぴし悔しくって・・大人気ないけど

「むぅーっ。侑李ぃ〜っ。
　今、ままが先に言おうとしたのにぃ。」



「ふふ、ごめんね、まま。
　ままってば、かわいー。」


「もぅぅー。」




キラキラ海の光に反射して

雄也さんの茶色の髪の毛が、キラキラ揺れるの。



雄也さんが、おれ達の前でニッコリ立ち止まって

「おかえり、慧。侑李。」って言う。



おれはね・・ぽわぁ〜ってしちゃって・・

「ただいまぁ〜、雄也さん。」


「ただいまっ、ぱぱっ。」


「お〜〜、侑李、ちゃんと荷物持って偉いな。
　ほら、２人供、荷物持つから、渡して。」


「う、うん。ありがと・・雄也さん。」


「ありがと〜、ぱぱっ。」



「いーえっ。」



そう言って、ニッコリ笑った雄也さんを見つめて

おれは、雄也さんの二の腕・・ぎゅって掴むの。



・・手、つなぎたいなぁって、思いながら。



んふふ。





侑李が、今日デパートであったコト

楽しそうに雄也さんに話してるの。



雄也さんは、ニコニコ話しを聞いて

なんだかとっても、嬉しそう。





おれは、あっ。って思い出したら

フッと、侑李と目が合って

目で、ねっ。って合図して

２人、声を合わせて


「「雄也さん(ぱぱ)、ありがと〜〜。」」





侑李もおれも、ニコニコ。

雄也さんは、ニコニコして

「ん・・なーに？」




侑李は、ウキウキ、お鼻ふんふんっ。

「ぱぱ、コンパクトとね、すてっきっ。
　ありがと、とってもうれしーよ。
　ね、ままっ。」



「ん、そうっ。ホントーに嬉しくって
　開けるの楽しみね、侑李ぃ〜。」


「ね〜、まま。」


「ねぇ〜侑李〜。」

雄也さんはクスクス笑いながら

「良かったな。」

＝９色・２＝→←ありがとのご挨拶。

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