哀しいkiss 2

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太輔side
あの日、君の唇に落としたキスを
君は気づいていたんだろうか




出逢って数日
互いの事は全くと言っていいほど知らない
…そんな二人




不測の事態とはいえ、
付き合ってもいないオトコの部屋に来た彼女




.





.







出来上がったばかりの炒飯とスープから
上る湯気の向こうで
君は…安心仕切って眠っていた






微かに揺れながら
静かに寝息を立てる





薄化粧はすっかりとれて
ほとんどすっぴん
白くてすべすべの肌と長くてカールした睫毛に
薄ピンク色の唇
傾いた身体からは、細い首筋から鎖骨が見えてる
花屋のエプロンの下に着ていたTシャツは
小さな胸の膨らみを隠してる
呼吸に合わせて上下する胸とお腹
薄手で、細身のデニムが張り付いた足




初めて見る彼女の姿
愛おしい…そう思う気持ちとは裏腹に
俺の眼は、舐…めるようなオトコの視線だったと思う


妄想し、ハ…ダカにし、自身を宥めた彼女の身体がそこにある





君に、触れたい


その感情の高ぶりは押さえられるものじゃなかった






最初に、キスしたのは
白い包帯が巻かれた左腕だった



折れそうなくらい細い腕
その前腕に巻かれた白い包帯





痛かったね…

目を閉じてゆっくり身体を傾け、唇をそっと
押し当てた





痛かったね



.




.





ふ、微かな笑いが込み上げた



でも、この怪我のお陰で
俺は君の寝顔を見れたんだね





そして、きっと
君を自分の物に出来る



俺の彼女にするんだ






腕から離した唇

熱を帯びた唇を、今度は君の寝顔に近づけた






どうか、俺を好きになって

俺の彼女になって



大好きだよ…A

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