哀しいkiss 2

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太輔side

そうだったんだ、そんな事全然知らなかった






まぁ、玉は元々口数は少ないし、
プライベートな事は特に、メンバーにも殆ど喋らない





でも、玉だって人見知りは酷い方なのに
その玉が同じように人見知りの彼女んトコに
通ってたなんて…嘘みたい






事務所の先輩や後輩だけじゃなく、映画やドラマで共演した人ともあまり関わりたがらないのに





もしかして…玉
彼女のこと…







.







.





華奢な身体で
花の入った鉢を持ち上げる度に揺れる髪

ちょっと首を傾げて花の位置を直す横顔

俯いた時の憂いを帯びた表情






彼女は…玉の好きな女性なんだろうか





改めて見ると、確かに玉の好みかも知れない







Aちゃん…



玉…



二人の想いは？









.







.








今なら
まだ、引き返せそうな気がした





一度玉に聞いてみようか


正直に答えるとは思えないけど、その表情を
見ればその真意は分かる

長い付き合いだから





争い事が、嫌いな玉だから
俺が彼女に想いを寄せてると分かれば
きっと身を引くだろう




でも、それはそれでお互い辛い









諦めた方がいいのかな、彼女の事









.







.







その時だった

店の奥で大きな音がした





！！







「Aちゃん！？」





「…どうしたの！！！」







店長さんの声に驚いて店の奥を覗くと
そこには小さく蹲る彼女がいた






「…ッ、」







太「どうしたの！？」






「…ッ、痛い…ッ」







！？




血？



店長さんの肩越し見た彼女の左手からは
紅い雫がポタポタ落ちていた






すぐ近くには、花木用の鉢のかけら


光るかけらには、紅い血が張り付いてる








「…ッ、……」






「…ツ、」





苦痛に歪む彼女の顔は、次第に青ざめ
額には脂汗が滲んでいた

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