哀しいkiss 2

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太輔side

店の時計が8時を指した


玉への不信感は募っていったけど
今は、彼女を食事に誘う方が先だ



太「あのさ、夕飯でも食べない？」

出来るだけ重くならないように言ってみた



「……」




あ….れ…
聞こえなかったかな





太「あのさ…」






.






.








「片付けがあるので…失礼します」






太「え…」






.







.







「ごめんなさい」




そそくさと店の奥に入って行ったAちゃん



なんか怒ってる？





？







「藤ヶ谷さん、何かお求めのものがありますか？」みかねた店長さんが声をかけた




太「あ、いや…」





店の奥に入って行った彼女に視線を送りながら
俺に声をかけた店長

「Aちゃん此の所忙しかったから
少し疲れてるんです、失礼がありましたら
私からお詫びします」





太「あ、いや彼女は何も…」






ふっ、
申し訳なさそうに笑った店長さん


「人見知りなんですよ、彼女」




人見知り…？





「ここに来てすぐの頃なんて全然接客出来なくて
何かあると、すぐ泣き出して…店の奥に逃げ込んできて…笑」





「…でもお花とこの仕事が大好きだから…って
凄く凄く頑張ってやっと慣れてきた所なんです」





太「そうなんですね…」





「でも…男の人は未だに苦手で…笑」





.







.








「やっと玉森さんに慣れたとこなんです…」







玉に？





「玉森さんが、それこそ藤ヶ谷さんみたいに
時間があると店に来て…」





「最初は、花や観葉植物の話から…少しずつ…話をするようになって…」





「玉森さんも人見知りとかで、一緒に頑張ろ
なんて声をかけて、話をしてくれて…」








「笑…」





「お陰で、他のお客さんにも笑顔で接客もできるようになったんですよ」

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