哀しいkiss 2

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太輔side


「…看護師さん、呼んでくる…！」




口元を押さえながら、部屋を飛び出したA





太「Aッ！」







追い詰めすぎた


やり過ぎた





.






.

どうしよう、このままAが返って来なかったら…





不安が過ぎる





別れを決めた日

一人あの部屋に取り残さた時の不安と絶望






先に部屋に入って来たのは、看護師さんだった
続けて、お医者さん




Aは？






.





.







しばらく入院して治療するか

自宅で療養するか



そんな事を看護師さんと医者が、俺に向かって
話しかけるけど…全然入って来ない






太「あの…彼女は？」


二人の会話を、遮って聞いた






太「僕をここに運んでくれた人は、どこに？」




まさか、帰っちゃったの？







ーまだ、いらっしゃいますよ、廊下に





ー一応、今はまだ彼女が付添人ですから…





柔和な表情で看護師さんが答えた






太「すいません、呼んでもらえますか？」




ーえと、今後の治療方針を決めてからじゃダメ？
彼女…泣いてたし…少し落ち着いてから





太「呼んで欲しいんです、彼女を…」


このまま、外にいたら
ここから居なくなってしまう気がする

間違いなく…








太「彼女と今後の事を決めたいんです」






ーわかりました、じゃあお連れしますね



そう言って部屋を出た看護師さん






.






.







？






.






.









廊下にいる、って言ってたのに
全然戻ってこないじゃん




もしかしてら、もうこの病院にいないの？
帰ってしまったの？







ーお連れしました





太「どこ行ってたの？」





「店長さんに…連絡しなきゃ、って…」







あ…




「お店…無断で休んじゃったから…」




そっか、



太「ごめ…ん」






「ううん、大丈夫…、大丈夫だよ」






ー入院するか、自宅療養するか
どうしますか？



ー自宅で、自分の身体の管理出来るのかな？


ちらっと医者が、Aを見た






ー今までみたいな生活をしていたら…
また、倒れますよ





ー場合によっては、命にも関わるかも知れない







ーしばらく、入院しますか





まるでそうするべき、と言いたげな表情の先生






太「いや、それはちょっと…」


現実、入院なんてスケジュール的に無理
まして、マスコミにでも嗅ぎつけられたら…





太「彼女がついてるので…大丈夫…」




太「自宅で療養します…」

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