哀しいkiss 2

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太輔side

太「A…？」



病室のドアの前でぼんやり立ち尽くしてるA



「……ぁ、」






太「どうした？」






「…なんでも…」





「なんでもない…」

ゆらゆら揺れてる瞳




太「嘘…」






太「今…思い出してたんだろ？」






「……」




太「A？」





.







.





太「教えてよ、なんであんなことになったのか…
Aが浮気なんかする訳ない」





.







.






太「まさか…」






.






.





ずっと、聞けずにいた一言を聞いた

太「レ…イ…プ…とか…？」









「ちが…ッ…」

慌てふためき、目が泳ぐA









太「？」




「違うッ！」

流石に、それはないか…でも、この動揺ぶりは
間違いない






太「やっぱり…何かあったんだね？」






太「誰…？何？」






「…なんでもない、なんでもッ！！」





物静かなAのこの動揺ぶりを見れば…
ただの浮気じゃなく、何か理由があるのは一目瞭然だった








太「教えて、A…」







太「怒らないから…」





「…嫌、何もない…」






太「責めないから…」







「…知らない、何も、知らないッ…」







太「Aの意思じゃなかったんだろ？
身体の関係を持ったのは…」






「…！」

とうとう、揺れてた瞳から涙がこぼれ落ちた





太「相手に強要されて…」






太「そうなんだろ？……A」

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