翡翠の涙。瑠璃の笑み。〈俺の彼女 お話集40〉

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太輔side

太「ん…」



幸せな一瞬…

君が俺を見つめて…俺の名を呼ぶ…






今までも…これからも…

一番、幸せな一瞬…






…






…







「太ちゃん…」





太「ん？」






「どうして…泣いてるの？」






…！







「どうして…」







太「…辛いことが…あったんだ、本当は…」





「…？」







太「でも…今…」






太「Aが、こうして目を覚まして

そして…俺の名前を呼んでくれたから…」






太「嬉しくて…」







「嬉しくて？」







太「嬉し泣き…」






「嬉し…泣き…？」






太「そう…」







「太…ちゃん…」







太「だから…抱きしめていい？」






「…？」






太「確かめたいんだ…」




「確かめる？」






太「そう…」






太「確かにここに、Aがいる…って

感じたいんだ…」







「……」






太「ダメかな？」




甘えたキャラを全開にしてみた…

普段、外に出ることない…

寂しがりで甘えたがりの本当の俺…







「…ふふ…」







「太ちゃん…子供みたい…」







太「子供…なんだよ、Aの前では…」






「こんなに立派なオトナなのに？」







太「そう…」







太「甘えたがりで…泣き虫で…」





太「寂しがり…」







「太ちゃん…」






太「Aがいないと…ダメなんだ…

それが…俺なんだよ…」








「……」







太「だから…いい？」






太「ぎゅ、ってして…」







「ふふ…いいよ…」






「いいよ…ぎゅ…して…」







駄々っ子をあやすお母さんみたいな顔して

Aが笑う





いつかのAみたいに…








太「A…」






…







…






ゆっくり…優しく…


その身体を両腕で包んだ…






海辺のホテルで抱きしめて１日…



そのたった１日で、ぐんと痩せたような気がする…

そんな訳ないのに…





太「好きだよ、A…」






「太ちゃん…」







太「愛してる…」






傷に響かないように

そっと優しく…でも、強く…





二度と離れないように….きつく抱きしめる…








太「もう、離さない…」







「太ちゃん…」






太「絶対、離さない…」






太「ずっと…ずっと…一緒だよ…」








太「A…」







…







…








「ん…」






「約束…」






「これからずっと…太ちゃんと一緒…」







「約束する…」

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