翡翠の涙。瑠璃の笑み。〈俺の彼女 お話集40〉

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彼女side

藤ヶ谷…さん…


気配りができて

優しい…人…



今日の撮影だって、結構ハードだったのに

愚痴一つ言わずに、ずっと笑顔だった




その笑顔が

撮影中…

ラボンのボディシャンプーの撮影中

彼女を労わる言葉をかけるシーンでは

優しさと妖艶さが入り混じって

凄く不思議なオーラを出す

裕太とは全く違うオーラを…




それにしても

彼は、私の何を知ってるんだろう




今朝のあの様子…

私の失われている記憶の部分

きっと、それは

藤ヶ谷さんに関係する事だと思う…


だって…

私が藤ヶ谷さんの事を知らない訳がない…

裕太と同じグループの藤ヶ谷さん…

彼の事を知らない訳がない…







裕「A？」





裕「Aってば…」





「…あ…、ごめんなさい…裕太」


うっかり…考え事してた…





裕「今日の撮影どうだった？
スムーズだった？」




「ん、」





裕「だよな、Aがこんなに
早く帰って来れたんだもんね…」




「ん…」



裕「食事会とかなかったの？
俺の時は、スポンサーさんとかと
あったじゃない？」





「…それは…」


裕「ん…？」


「この間倒れたでしょ？私…
だから、ゆっくり休んだ方がいい、って」




裕「誰が？主任さんが？」




「ううん…」





裕「…？」


「藤ヶ谷さんが…」



裕「ガヤが….？」




…






…





…





「裕太…」




裕「んー？」





「藤ヶ谷さん、ってどういう人？
裕太なら…よく知ってるでしょ？」





裕「何で…そんな事聞くの？」






少しだけ曇った裕太の表情と

牽制するような瞳







「…それは…」




「これから、一緒に仕事するから…」






ほんとの事は言えない

記憶を失った事も…

藤ヶ谷さんと私の間に何かありそうな事も…







裕「あ、そっか…そういうことね…」








「裕太、教えてくれる？」



「藤ヶ谷さんの事….」

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