翡翠の涙。瑠璃の笑み。〈俺の彼女 お話集40〉

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彼女side


裕「…ん、」






…！








「裕太…」






裕「A……？」






裕「Aなの！？」






「…ん」






裕「夢じゃないよね？」





…？




夢？







裕「夢じゃ…」






「何？」





「どうしたの？」



出来るだけ明るく聞き返した






裕「夢、見たから…」





…？




裕「悲しい夢…」





また…そのタレ目さんに溢れ出した涙







裕「Aが、いなくなる夢…」




いなくなる？夢…







裕「俺を置いてく…夢…」






裕「この部屋に…俺だけを置いて…」






裕「いなくなる夢…」







裕「…ッ…く…」





裕「う…っく…」








裕「俺は…ひとりぼっち…」







裕「ひとりぼっちなんだ…夢の中で…」





裕太…







裕「Aは…」



私は？





裕「俺を置いて…元カレんとこに…」




…！？






裕「元カレの所に行っちゃった…」





…







…






溢れては、頬を伝う涙

その涙が、私の掌を濡らす






ついさっき

太ちゃんと繋いだ掌を…






責めるように…戒…めるように…








裕「ッく…」







裕「…うっく…」








ごめんね

ごめんね、裕太…





貴方を裏切るような事をして…




ごめんなさい…







「私は…どこへも行かないよ…」

多分…







裕「ほんと？」

きっと…





「だから…泣かないで…」


今はそう言うしかない…




裕「ほんとに？」







「ほんとだよ…だから…中に入ろ？」



ここは、寒いよ

風邪ひいちゃう





ね？






裕「怒ってる？」




「？」






裕「怒ってる？ちゃんとお留守番してなかったから」






「……」




裕「お仕事…ズル休みしたから」






「…ズル休みしたの？」






裕「だって…連絡取れなかったから…

心配で…心配で…」







「そう…」






「でも、怒ってないよ…悪いのは…私だから…」






「裕太に心配かけた私だから…怒ってない」







裕「ほんと？」





「…ん」






裕「じゃあ…中入る…」






「ん」





「寒かったでしょ？」



身体が凄く冷たい…







裕「寒かった…身体も…心も…」






「じゃあ…お風呂入ろ？」






「あったまろ？」






…






…







裕「……」






「裕太？」






裕「あっためて…」




…？





裕「A…あっためて？」







裕「Aが…あっためてよ…」

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