林檎×さくらんぼ after story 8 ページ16
陸「寂しかったろ?」
「…ん…」
陸「だから、お迎え…」
…?
陸「こっち…」
陸に手を引かれて行ったのは
流行りのビジネスホテル
今は、温泉やレストランも入ってるから
ラブ…ホより、誰でも入りやすい
こんな街中でも…
「どういう事?」
キャリーを持った陸が、エレベーターの
ボタンを押す
先に、チェックインしてたって事?
陸「海…来てるかな?」
…?
お兄ちゃんも…来るの?
陸「寂しかっただろうから…って、海が…」
お兄ちゃんが…?
陸「三人だけの時間、欲しいだろ?」
三人…でなくても…
私は、海がいれば十分だけど
陸「久しぶりだよね、三人…」
…
…
…
「うん…」
陸「あ、ちょ、待って…」
…
…
陸「海、ちょっと遅れるって…
お母さん…Aさんに捕まってるみたい…」
ママに…捕まって…
それじゃ…仕方ない…
ママは、今でも私と海の事疑ってるから
下手な事は出来ないから…
陸「入って…空…」
陸「海も、時期にくるから…」
陸「ね?」
…
…
「ん…」
小さなテーブルにダブルベッド
鍵の開かない窓に視線を送った瞬間
私は、後ろから陸に抱きしめられた
「陸?」
陸「空…」
陸「逢いたかった…」
肩に落ちて来た陸の顔
冷たい唇が、首すじに触れる
陸「すげー逢いたかった…」
「陸ったら…」
林間学校に出発する日、
見送りに来てくれたじゃない…
海と一緒に…
さっき、迎えてくれた駅の改札まで
陸「空がいない、って…
こんなに寂しかったんだ…って思った」
「陸…」
陸「寂しかった…」
「陸……ッ…」
陸「先に始めたら怒るかな…」
「…?」
陸「でも、海っていつもフライングしてるよね」
「…ッ…、あ……陸…」
陸「いいよね、始めて…」
「陸、や…シャワーさせて…」
「汗…かいてるの…」
海が先なのは構わない、でも
陸に愛されてるトコに海が入って来るのは、嫌
「お願い…」
…
…
「陸…お願い…」
陸は…優しいから
絶対に、ダメとは言わない…
陸「そうだよね、シャワーしたいよね…」
陸「ごめん…」
…
…
陸の許可を貰った私は、熱いしぶきを浴びる為に
狭いユニットバスに入った
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作者名:トウコ | 作成日時:2018年1月1日 18時