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Aside
狂…気じみたその表情
泣いてるのに、怒っていて…
怒っているのに、哀しげで…苦しげで
憎しみと愛情が入り混じった表情
あの日と同じだ
裕太を受け入れてしまった自分が
どうしても許せなくて…全てを告白し、
太輔に別れを切り出したあの日と同じ
許してもらえるなんて思ってなかった
許してもらおうとも思ってなかった
ただ…ただ…
自分が楽になりたかった
私が、自分勝手だったばかりに
あの時、全てを自分の中で閉じ込めて
それまでと同じように、太輔と付き合っていれば
太輔はこんなにまでも苦しむことはなかったのに
太輔の身体と心は
こんなにまで病むことはなかったのに
全ては…
私のせい
あの日、あの時…
裕太のキスに応え、そしてその背中に手を伸ばし
裕太を受け入れてしまった私のせい
私は…
選ぶ権利なんかないんだ
太輔をこれほどまでに傷つけた私に
自分の幸せを求める権利はない
.
.
.
「太輔…」
「私を見て…」
ベランダから下を見つめていた太輔に呼びかける
太「?」
酷く疲れた顔
朝はあんなに顔色が良かったのに
そう、これも私のせい
太「何!?」
穏やかで優しかった太輔
彼をこんな険しい表情にさせるのも、私
「…私は…」
「太輔の側にいるよ…ずっと…」
太「!?」
「ここにいる…」
太「嘘だろ?今だけだろ?
俺がこんなことしてるから…!」
「違うよ…」
「それは、違う…」
太「本当に!?」
「…ん、信じて…」
太「ずっと俺の側にいる?」
太「死…ぬまで?」
「……うん…」
太「もう二度と、裏切らない?」
「……うん、約束する」
.
.
太「………」
「太輔?」
太「じゃあ、今ここから、飛び降りてよ…」
「!?」
太「死…ぬまで一緒にいるんだろ?」
太「じゃあ、今ここで死…ねるよね?」
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作者名:トウコ | 作成日時:2019年7月5日 4時